2010年 アメリカ
ミズーリ州の山村。
17歳のリーは病気の母と幼い弟妹を抱え食べ物にも困る生活でした。
父親は麻薬の売人で保釈中でしたが、行方が分からず、
保釈金で自宅や森が抵当に入っていることを知ります。
立ち退きが迫る中、もし父親が死んでいたら家を手放さなくてもいいことを知り、
リーは父が死んだという証明を探し始めます。
暗い、重たい、と聞いていた作品です。
どんよりして晴れ間の無い空は「フローズン・リバー」とよく似ています。
今や一家の主のように働くリー(ジェニファー・ローレンス)はとても強くてたくましい。
森の中で獲物を狩るため散弾銃を使いこなします。
また、捕まえたリスの皮をはがすシーンもあります。
彼女はもし自分がいなくなっても困らないように、
小さいきょうだいたちにその方法を教えるのよね。
人間食べていくためには、どんな試練も耐えられるか。
調理されて皿の上にのった尾頭付きの魚を見て、
「目がこっちを見ている。怖い~!」と言う、
現代の若い女子には耐えられない映像かも…
迷彩色の服。
軍隊に入隊希望。
生活はサバイバル。
今年話題になった「ハンガー・ゲーム」の主人公は彼女しかいないでしょう。
出てくる登場人物の多くはアウトローの世界の人々。
もちろん男性も目が座っていて怖いのですが、
女性陣も怖いおばさんがワンサカ
私とは全くご縁の無い世界の人たちでしょうが、
この怖いおばさんたちを見ていたら、
最近日本でも話題の事件の
関西の怖いおばさんの写真と同じ雰囲気をかもし出している…
沼のシーン。17歳のリーには衝撃的だったかも知れませんが、
おばちゃん(私)は驚かないぞ~
だってジェームズ・フランコは(映画で)生きている自分をそうした。
長澤まさみだって(映画で)生きている他人の足を~
でもこの場面で彼女は暗闇の中で初めて涙を流します。
怖かったからでは無い。父親に対しての涙。
そしてやっと今までの苦しみから解放されるかもという安ど感。
バンジョーの曲も物悲しかったですが、
やっと最後に画面が少し明るくなります。
それがこれからの一家の生活の光なのでしょうね。
私には分からないこともありました。
足りない保釈金は誰が払ったか
父を殺したのは誰か
でもそんなことは深く考える必要が無いのだと思います。
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