2009年 オーストリア・フランス・イタリア・ドイツ
カンヌ国際映画祭パルムドール。
ゴールデングローブ外国語映画賞受賞作品
1913年秋。
ドイツ北部の小さな村。
ドクターは針金に足を取られた馬から落馬し大けがをします。
その後、男爵の納屋の床が抜け小作人の妻が死亡、
男爵の息子がリンチを受けるなどの事件や事故が続きます。
一方、学校の教師は男爵の家で働く若い女性に恋をします。
第一次世界大戦直前のある村の出来事。
監督はミヒャエル・ハネケ。
私はこの監督の作品は多分初めてだと思います。
DVDを観終わって先ず最初に思ったのは、
これは玄人好みの作品だわ~ということ。
後味があまり芳しくないのは初めから分かっていたのですが、
その上、お気楽作品鑑賞の多い私に何を想像させようとするのか…
映画は教師が昔を回想して話すという設定です。
モノクロ作品のうえ、家の中もすごく暗いです。
しかも子供たちがとても多くて、どの子がどこの家の子か中々分からず…
この村の権力者は男爵。
牧師もドクターも尊敬されていますし、家令も頼りになります。
ところがなんです~
子どもは確かに大人のことをよく見ています。
特に思春期の子供。
厳格で暴力的で、自己中心的な父親たち…
このまま戦争が始まって、ここの子供たちには永遠に笑顔が現れないのか、
それとも徴兵されて、違う人生を進むことになったのか。
この村の事件の犯人、大体想像は付きますが、
復讐するには動機があっても、何が良くて何が悪いのか分からない人物。
それを作り上げたのがこの村の大人たちなのだから、怖いわ~
結局、結婚して村を離れた教師が正解だったわけです。
それにしても希望も見えない恐ろしい話でした。
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