2008年 イタリア
1983年のイタリア。
精神病院が廃止になったことで、
患者たちは協同組合に入り、そこで細々と軽作業をしていました。
一方、労組を追い出されここで働くことになったネッロ(クラウディオ・ビシオ)は、
個性的な彼らの特技を生かして、寄木作りの仕事を始めようと提案します。
しかし商売がだんだん軌道に乗り始めました頃、ある事件が起こってしまいます。
イタリアのバザーリア法は、1978年に設定された精神病院廃絶法だそうです。
精神病院の新設や新たな入院や再入院を禁止しているそう。
では患者たちはどうするかというと、
重症の人は総合病院の精神科に入院する。
その他の患者たちは
ということで、この作品は実話をベースに作られたそうです。
日本でも精神障害だけでなく、知的障害者も、
なるべく自立できるような支援体制を整えて始めているのでしょうが、
精神病院が無くなるという話は聞かないですね。
でも精神病院自体、私には身近の存在ではなく、
様々な映画の舞台としてしか目にすることの無い世界です。
この作品はコメディタッチだったので、
シリアスな病院ものというよりは、
「クワイエットルームへようこそ」や「まぼろしの市街戦」を連想しました。
元々組合活動に熱心なカッロは、
彼らの個性を見出す能力には長けていましたが、
精神病に対する知識は無いようで、
これが悲劇の一因に繋がったような気もします。
もちろん私も分かりませんが、
精神病(色々な症状はあると思いますが)は、薬で完治は出来ないようですね。
この作品では今までは患者は症状を抑える薬を飲まされているだけで、
生きる張り合いも無い生活を送っていました。
それが協同組合のおかげで資金も借りられ、自立の道が開けたのですから、
バザーリア法は成功だったのか。
ただ、男性には性の問題も付いてくるのが難しいところです…
自閉症の男性は最後まで言葉を話しませんでしたが、
たとえ病気自体は治らなくても、
病を抱えたままでも自立出来る、
誰でもそういう権利を持てる社会になるといいと思いました。
余談ですが、別題の「やればできるさ」
こちらの響きのほうが私は好きです。