1986年 アメリカ・西ドイツ
ポン引きのジャック（ジョン・ルーリー）と流れのＤＪザック（トム・ウェイツ）は、
それぞれ知人に騙され、無実の罪で刑務所に送られます。
同室になった2人は意地を張り合いケンカばかり。
そこにボブ（ロベルト・ベニーニ）というイタリア人が入ってきました。
陽気なボブのおかげで3人は何とか平穏に過ごしますが、
ボブが脱走するルートを見つけ、3人は林の中へ逃げ込みます。
ジム・ジャームッシュ監督の古い作品です。
この前の作品「ストレンジャー・ザン・パラダイス」も同じようにモノクロで、
しかもロードムービーでしたが、眠くて内容をよく憶えていません。
けれども、本作品は退屈することも無く不思議な雰囲気に包まれて鑑賞する事が出来ました。
ルーリーとウェイツの2人だけ逃避行だったら途中で退屈したかも知れませんが、
何と言ったって今回はあのうるさいイタリア男が一緒なんだもの…
片言の英語しか喋れないボブはお荷物男だと思いきや、
ジャックとザックの橋渡しをするわ、脱走を主導するわ、
食料を調達するわで、ひ弱なわりに頼りになる男。（泳げなかったけどね）
無実の男が脱獄するという内容の作品では有名なものがありますが、
ジャームッシュ監督のこの作品は、手に汗握るということはありませんでした。
宇宙人のようなボブの相手役に実生活でのパートナー、ニコレッタ・ブラスキ、
また、ザックを振った彼女は若き日のエレン・バーキンです。
何だか昔見たことのある夢の世界に似ているような作品でした。
