1996年 アメリカ
ジャック(ロビン・ウイリアムズ)は人の4倍の速度で細胞分裂する病気で生まれてきました。
10歳になったジャックは見かけはどう見ても40歳。
友達もいませんでしたが、家庭教師の勧めで、母親(ダイアン・レイン)の心配をよそに、
初めて学校に通い始めました。
最初は見かけが中年男のジャックに同級生は恐る恐るでしたが、
次第に友人も出来始めました。
主人公が早老性の病気という設定のこの作品。
ジャックは10歳の子供なのに、
身体的には4倍の40歳で、中年男にしか見えません。
髪の生え際を気にし、ヒゲもじゃを気にしています。
当時43歳だったロビン・ウイリアムズが演じたこの少年。
ロビンの瞳を見ていると、何だかとても可愛らしいのよね~
本当に10歳の少年に見えてくる。
この10歳の少年が直面する動脈硬化や狭心症などの老化現象は、
あまりにも可哀想です。
でも同じ歳の友達たちと、10歳の少年ならではの遊びに興じるところは何とも微笑ましい。
バーでひと悶着を起こす事件も可笑しかったです。
ただ、似たような早老性の病気は実際あるわけで、
どこまでジャックを笑っていいのかちょっと考えましたけど…
印象に残ったのは、
家庭教師の先生がジャックを美しい流れ星に例えた時、
彼が「僕は普通の星でよかった」と言う場面。
この10歳の少年の言葉はとても切ないものでした。
ロビンが自転車乗りの名人だという事も確認いたしました。
「RV」という作品ではもっと凄い曲芸を見せてくれます。
ダイアン・レインとジェニファー・ロペスもとても美しかったです。
(ダイアンの息子がロビンと言うのは笑えますね)
「心の中が子どもと同じ大人」と言っていましたが、
それよりは、
「体の中が大人と同じ子ども」と言ったほうが合っていると思います。
高校の卒業式。
ジャックの体はすでに老人でしたが、
実際はハイティーンの彼は、きっとずっと悩みながらも、
楽しい思い出をたくさん詰め込んで、
残り僅かな人生を過ごしていくのでしょうね。
フランシス・コッポラ監督が観客に伝えたかった人生のことを、
しっかり受け止められる作品でした。