2007年 イギリス・アメリカ
18世紀末のイギリス。
オースティン一家は田舎の牧師の父、母、息子と2人の娘。
小説を書くのが好きな下の娘ジェイン(アン・ハサウェイ)に富豪の甥との結婚話が持ち上がります。
母親が縁談に乗り気の中、
ジェインは兄が連れてきた法律家の卵トム(ジェームズ・マカヴォイ)と恋に落ちてしまいます。
御存知、イギリスの女性作家ジェイン・オースティンの若き日の恋の物語です。
スタッフ曰く、「架空の物語では無い」そうです。
「高慢と偏見」を御覧になった方はすぐに気がつかれたでしょうが、
初っ端から、見たことのあるような両親が登場。
ジェインの母親はエリザベスの母親と同じように口うるさく、金持ちとの結婚を夢見ます。
そしてその後の登場人物もジェインの小説と被る人物が続々出てきます。
この時代、貧乏貴族の娘は富豪と結婚して実家の家計を支えるのが理想で、
母親には絶対服従しなければならなかった。
故に恋愛結婚は珍しかったようです。
もっとも理由はどうあれ、日本だってこの時代は恋愛結婚は少なかったでしょうね。
でも母親の気持ちもよく分かるのです。
娘にお金目当ての結婚をさせるのが幸せか、
愛があっても貧乏でいいのか。
現代なら間違いなく後者なのでしょうが、
当時のイギリスの慣習からすると、
残った家族の生活もかかっているものね。
「人の心を最も打ち砕くのは貧しさ」
その通りだったのだと思います。
私はアメリカ人とイギリス人の区別がつきませんので、
アン・ハサウェーの顔もそれなりにイギリス娘に見えましたが、
「ミス・ポター」のレネーの方がイギリス人ぽかったような気がします。
イギリス人俳優というだけでマカヴォイも素敵。
やっぱり男性も瞳がチャームポイントね
また、オースティン夫人は「マンマ・ミーア」のジュリーウォルターズです。
どこかで見た顔だと思いながらも最後まで気が付きませんでした。
ちょっと理解が出来なかったのは、
ジェインは放蕩息子のトムと駆け落ちしたつもりが、
実は孝行息子だと知って破局してしまったこと。
普通だったら逆ですよね。
やっぱり夫の家族を養っていく自信がジェインには無かったのでしょうね。
冷静になって考えた末にジェインが出した結論。
「家族を犠牲にする愛はもろい」
結局生涯独身で過ごしたジェインと姉ですが、
「高慢と偏見」の姉妹は2人ともハッピーエンドでしたね。
純愛モノもたまにはいいかも知れませんね。
オースティン原作の「いつか晴れた日に」もオススメです。