2004年 アメリカ


エヴァン(アシュトン・カッチャー)は記憶を失う癖のある少年でした。

幼馴染の兄妹、それにレミーという友だちとつるんで遊んでいました。

ある日、精神病院に入院中の父親を訪ねたエヴァンは彼に襲われます。

その後母と引っ越したエヴァンは大学生になり、記憶が無くなることもありませんでしたが…


過去を変えられる男の話と思って鑑賞しましたが、

「過去を変える」と言うより、

人生には幾つかの選択肢があり、それを選びなおすところまで戻ることが出来る男の話ですね。


例えば1本の大きな木があるとします。

エヴァンは当初はその内の一つの枝に進んで行きます。

けれども、その枝だと愛する人が不幸になることが分かり、もっと下の枝の分かれ道まで戻ります。

ところが、その枝を上に進んでいっても、別の不幸が訪れてしまう。

また別の場所まで戻っても、悲劇の連鎖はおさまらない…


確かアダム・サンドラーのコメディで昨日を選べるやつを観ましたが、

そっちはコメディ、今回はサスペンスといったところでしょうか。


粗暴なトミーの少年時代をキャメロン・ブライト君が演じているのですが、

彼は「記憶の棘」でも怪しい少年の役でした。

不思議な魅力を持った役者さんですが、今は吸血鬼みたいね…


アシュトンはお馬鹿な役のイメージが強かったのですが、

今回は苦悩する青年。

どれだけ鼻血を出したのでしょう…ガーン


エヴァンは色々なバージョンの過去に戻り、その都度出会うのが、恋するケリー(エイミー・スマート)。

彼女は「もしも」の四パターンの女性で好演していました。

もともとエヴァンはケリーを助けるため過去を変えようとしたわけですから…

また、兄トミーも凶暴の場合と、福祉に目覚めた善良役とで全く違う人物に見えました。


過去に起きた問題を修復しても、

一つ直しただけでは、それが後々いい方向には進まない。

これでOKと思っていても、やっぱり誰かが不幸になる。

人生ってなかなかうまくいかないですよね。

だったらいっその事…と彼は思いついたわけです。


最後の終わり方については、他にもバージョンがあって、

う~ん、一体どれがベストなのだろうと思いましたが、

私は後味が悪かったり、観ているものに考えさせるというのはあまり好きではないので、

せつなくはありますが、今回のオリジナルが良かったと思います。


バタフライ・エフェクト プレミアム・エディション [DVD]/アシュトン・カッチャー,エイミー・スマート,エリック・ストルツ