2007年 ハンガリー
エミル(エミル・ケレシュ)は81歳、妻のヘディ(デリ・フェルディ)は70歳。
息子を小さい時になくし、2人だけの年金暮らしでしたが、
それでも生活は貧しく電気も止められ、ヘディは家賃の足しに大切なイヤリングを差し出します。
ところがある日、エミルはこっそり家を抜け出して郵便局強盗をはたらきます。
警察の追う中、妻もそれに同行し、2人は強盗を繰返しながら逃避行を始めます。
「年金だけでは暮らせない」
何だか最近耳にする言葉ですね。
私たちが受給する頃には、このハンガリーの夫婦のようになっているのかも。
エミルは考えた末に紳士的強盗に入るのですが、
彼にはチャイカというソ連製大型車と、トカレフ(ソ連兵の忘れ物)がありました。
それに加担する妻もいた…
次第にこの年寄り夫婦強盗に対して国民は同情し始めます。
こうなると模倣犯まで出現して…
インタビューに答える若い夫婦曰く、
「お年寄りを見ると、みんな強盗に見えて怖い。」
2人が知り合ったのは1950年代の終わり。
劇的な出会いながら、年老いた今ではどこの家にもいる老夫婦。
それが夫の連続強盗をキッカケに、夫婦関係がまた再構築し始める、そんなお話です。
「人生の伴侶」
そんな言葉、最近あまり使わないけど、
地の果てまで一緒にいようという覚悟が何とも素敵です。
妻はピストルを構える夫を見て、「かっこいい」と言い、
夫はドレスアップした妻を見て「綺麗だ」と言う。
結婚50年以上経ってからはなかなか言えない言葉でしょうが、
この逃避行で2人はきっと出会いの頃の2人に戻ったのでしょう。
この夫婦を若い警察官カップルが追います。
ところが警官カップルは現在うまくいっていない状態。
2組の老若カップルを対比させているのですね。
ラストは涙が出そう落ちそうと思ったら、
思い切り引っ込みました。
コメディでは無いのですが、
会場内は笑いが絶えませんでした。
とても楽しい作品です。
何だか可愛いホームページもどうぞ
「人生に乾杯!」公式ホームページ↓
http://www.alcine-terran.com/kanpai/