2005年 アメリカ
刑務所で娘の面会を楽しみにしている女性、スーパーで昔の恋人に出会った妊婦、
父親と深刻な確執を持つ看護婦、4年間子供を持たないと決めた夫婦、
両親の不仲を取り持つ女子高生、分かれた夫の妻の葬式に列席する女性、
モーテルで男と密会する人妻、乳がんの手術を控えた中年女性、
娘と墓参りにやって来た初老の女…
これら9人の女性の話がオムニバズで描き出されています。
9つの話が最後に繋がるわけではありません。
ただ、同一人物が他の話にちょこっと顔を出すことはあります。
原題はNINE LIVESですので、単純に9人の人生の1コマが描かれています。
でも、彼女たちにとっては長い人生の中の、最も印象的な出来事だったと思います。
豪華女優陣も1話が僅か十数分の間に、それぞれ素晴らしい演技を見せてくれました。
はっきり言ってストーリー自体が斬新なわけでは無いのですが、
舞台劇を観ているような感じでした。
やっぱり同感する女性が多いのは、2話目のダイアナの出来事。
未だ忘れられない昔の恋人に偶然出合ってしまった二人。
お互い配偶者がいる身、すぐに別れたものの、同じ店内にいる彼が気になって仕方が無い。
振り返っては彼を目で探し悩む繰り返し。
その胸の苦しみ辛さ切なさが伝わってきました。
女性なら誰もがこの気持ち分かるはず。
ロビン・ライト・ペン、流石ですね~。
乳がんの手術の直前、夫にわがままを言い放題のカミール。
キャシー・ベイカーは中年女性の気持をよく表現してくださいました。
他の8話が結構刺激的だったからか、
ストーリー的には、最後のマギーの話がよかったです。
優しいおとぎ話のような雰囲気です。
登場する9人の女性と同じ経験をしたことはありませんが、
彼女達の表面的に見えるものとは別に、
心の奥が見えてきて興味深かったです。