2007年 ロシア


元将校が殺された事件で、チェチェン出身の養子の少年が逮捕されました。

本人が否認する中、12人の陪審員の一般男性が、有罪か無罪かを話し合います。

有罪の証拠が圧倒的に多く、すぐに決まると思いきや、

1人が無罪だと言い出し、話し合いはスタートに戻ってしまいます。

果たして少年は有罪なのか無罪なのか…


オリジナルは1957年の「十二人の怒れる男」

ベルリン国際映画祭で金熊賞を獲得しています。クラッカー


両方とも未見でした。

レンタルショップでどちらを先に観ようかと悩んでいました。

オリジナルはかなり評価が高く、それを先に観てしまうと、

この作品の方はガッカリするのではないかと思い、

先にこちらの作品を観ることにしました。


ちなみにオリジナルはアメリカが舞台、

この作品は現代ロシアが舞台です。

最初はリメイクだと思っていましたが、

こちらは現代ロシアの抱える問題が根底にあり、

別の作品と思ってもいいようですね。


当初は早く終わりにして帰りたい男達が、

一人の意見をキッカケに、真剣に事件の真相を探り出そうとしている姿に引き込まれます。


最初、ロシア人の中年男性12人の顔を区別できるか自信が無かったのですが、

私でもはっきり分かるくらい個性的な陪審員たちでした。

特に人種差別主義者のタクシー運転手役の俳優さんは素晴らしかったです。

でも、こう言っちゃ何ですが、この人の目が一番優しそうだったんですが…ニコニコ


160分間、ほぼ体育館の中という密室で撮影され、

まるで舞台劇を観ているようでした。


バブルの時の日本のように、今のロシアには地上げ屋がいるし、

大っぴらに差別を口にする者もいる。

政治に疎い私は、その辺の事情があまり分からない…しょぼん

知っているのはロシアとチェチェンの間の戦争や、

プーチンが院政をしているくらいで…


さて、日本でも裁判員制度がスタートしますね。

この作品の男達のようにどこまで真相を追究したり議論出来るか、

選ばれた方々、仕事や学業を犠牲にして大変でしょうが頑張って欲しいと思います。

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