2004年 イスラエル/フランス/ドイツ


五年前の作品ですが、日本では現在劇場公開中です。


イスラエル占領下のゴラン高原

この村に住むモナは今日が結婚式。

隣国シリアに住む親戚の男性との結婚で、

姉のアマルが色々と世話をしてくれています。

ところが、花嫁は浮かない顔。

一方、久しぶりに会う兄弟たち家族にもそれぞれの事情があります。

そして、いよいよ家族一同は花婿との待ち合わせ場所の国境に向かいました。


ゴラン高原は第三次中東戦争で、イスラエルが占領した場所です。

今でもイスラエル、シリア双方が領土権を主張して、

日本の自衛隊も国連平和維持活動の一環として派遣されているそうです。


さて、花嫁モナがなかなか笑顔を見せないのには理由があります。


○ 花婿とは一度も会ったことが無い。

○ シリアに嫁ぐと二度と実家に(イスラエル占領下)帰れない。」


どうやら、イスラエルと国交のある国からやって来た兄弟たちは、

実家のあるのゴラン高原に普通に入国して来ていますが、

対立するシリアに行ってしまうとここへは戻れないようです。


そしてもう一つの問題は、ゴラン高原の住民たちは無国籍なのです。えっ

確かにイスラエルが占領しているものの、国連が認めていないため、

ここに住む住民たちはパスポートにも「無国籍」と書かれています。


一方、モナの長兄はロシア人女性と結婚して勘当状態。

姉のアマルは夫との関係がうまくいっていません。ダウン


前半はこの地方と家族の複雑な事情が描かれ、

後半は国境へたどり着いてからの騒動になります。


モナのパスポートに押された印が問題になり、

花婿たちの待つシリア側になかなか向かうことが出来ません。


イスラエル、シリア双方の入出国担当者が全く融通が利かないのです。むっ

どこの国のお役人も一緒か~。


家族たちが右往左往する間も、花嫁はじっと柵の前で花婿が待つシリア側を見詰めていました。

そしてある決断をします。


一方、姉のアマルも風習にとらわれ自分勝手な夫に背き、、

自分のやりたい道に進むという大きな決断をします。グッド!

この夫婦の事情は日本でもよくある話です。


この作品はゴラン高原の人々の苦悩だけでなく、

家族の新しい出発の話でしょう。

特に今自分の状況に迷っているの女性たちに元気を与えてくれると思います。


モナとアマル、二人とも自分の足で新しい一歩を踏み出しました。

二人の勇気が、私にも伝わってきた気分になりました。合格



主婦と洋画とひとりごと