2009年 日本
東城大学付属病院では「チームバチスタ」の事件を解決した後、
院内の倫理委員会の委員長に心療内科の田口(竹内結子)が任命されます。
その田口に、「救命救急センター長の速水(堺雅人)が、医療機器メーケーと癒着している。」
という内容の告発文が届きます。
おまけにその業者の支店長が飛び降り自殺をします。
真相を調べ始めた田口ですが、病院に招かざる客、厚労省の白鳥(阿部寛)が現れます。
「チーム・バチスタの栄光」は不評だったらしいですが、
今回の作品の原作は傑作だと聞きましたし、映画も前作を上回ると言う事で劇場鑑賞しました。
前作は犯人探しに明け暮れましたが、
今回は医療の倫理と病院経営という本来なら重なり合わなければいけない問題が、
昨今の事情からうまく回っていない、それどころか相対立している構図を描いています。
まさしく今の日本の医療問題の暗部ですね。
と、言っても、全く堅苦しいものではありません。
何せ冒頭から暫くの間は田口医師のボケが続きますから…
ちょっと深刻になってきたな~と思ったところで、今度は白鳥が怪我をして参上。
しかも小児病棟に入院。
この凸凹コンビの双方が画面に映っている間は笑えます。
そして今回の作品は救命救急センター長の速水、堺雅人につきるでしょうね。
何たって目で演技する俳優さんです。
怒っているのか笑っているのか呆れているのか、
最後速水が倫理委員会に召集され、自分の口で話し始めるまで、
彼の心の中が全く読めないのです。
花房看護師長が速水の事を、「あの人は子供ですから。」と言っていましたが、
それって「篤姫」の夫、徳川家定と同じよね~。
解決に至るまでの道筋を作ってあげたのは、ボケの田口とツッコミの白鳥コンビでした。
原作の二人とは全く違う人物設定だそうですが、
映画の興行収入を考えるとこの二人で正解でしょうね。
(だってさえない男二人よりはね~。)
この作品では、幾つかの疑問もちゃんと解けています。
・ 告発文は誰が書いたか。
・ 何故速水は「ジェネラル・ルージュ」と呼ばれているか。
・ 医療機器メーカーの支店長は何故死んだか。
ただ、支店長死亡の件に関しては、私の想像力不足からこの動機でいいのか不安ですが、
自分の中で無理やり?納得した感有りです。
また、前作を観ていなくても内容が分からないということは全くありませんが、
時々チーム・バチスタの連中が登場しますので、
それを楽しむには、前作も観ておいたほうがいいかも知れません。
全くの余談ですが、看護師長がポケットから何かを取り出して速水に手渡した時、
「実印」と思ったのは私だけ…
(ちょっと最近使う用事があったからか。)
DVDでも充分だとは思いますが、映画館の割引デーの日にならぜひどうぞ
(ちなみに私はポイントをためてタダで観た。)