2008年 アメリカ
1941年の東欧ベラルーシ。
ナチス侵攻でユダヤ人狩りが熾烈を極め、
両親を殺されたビエルスキ兄弟は、森へ逃げ込みますが、
次々と追われた同胞が集まり食糧の調達もままならなくなります。
次男(リーヴ・シュレイバー)は、長男トゥヴィア(ダニエル・クレイグ)と対立し、
ソ連の赤軍ゲリラに加わり、トゥヴィアと三男アザエル(ジェイミー・ベル)らユダヤ人たちは、
ドイツ軍に追われどんどん森の奥へと逃げ込みます。
第二のシンドラーと言われるビエルスキ兄弟の話です。
と言っても、私はこの人たちを今まで知りませんでした。
ベラルーシはポーランドとロシアのちょうど間に位置する国。
世界で一番美人の多い国(!)と言われています。
また、ヨーロッパで唯一死刑制度が残っている国です。
さて、最初は復讐の鬼と化していたトゥヴィアですが、
同胞が集まって膨れ上がった時には、
「復讐は自分たちが生き延びること」と宣言し、
武装した共同体(コミュニティ)を作り独裁者となります。
そう、ここにいたユダヤ人たちは何とドイツ軍と戦ったのです。
追われ続けている状態の中、話し合いをする暇も無く、
この独裁者が一人で判断を下す。
一人ひとりの意見を聞いていたらきっと逃げきれなかったでしょう。
厳しく、尚且つ公平な判断を下すトゥヴィアがリーダーになるのは適任でしょう。
一方、冬のベラルーシの平均気温は-5度。
この厳寒の中、かろうじて屋根があるあばら家で冬を越すのは大変だったでしょう。
多分、凍死した人もいたでしょうね。
終始切迫した状態の中、
アザエルの結婚式の場面は幻想的でホッとしました。
そして、主役のダニエル・クレイグ。
ただ今007シリーズも公開中ですが、あちらはスーツを着こなし紳士風。
この作品ではまさしく野獣顔中髭だらけのお顔は熊
でも、ある決まりを破った女性を許すシーンがあるのですが、
その場面のクレイグのが一番好き。
ただ、金髪にブルーアイのお顔が、ユダヤ人には見えなかったんですけど…
ビエルス兄弟が助けたユダヤ人は1200人。
現在その子孫は数万人になると言われています。
もう一つ思うことが…
こんなに悲しく大変な経験をして、やっと国家を作ることが出来たのに、
何で未だにイスラエルは戦争をしているの
「目には目を、歯には歯を」、なのでしょうか。
ユダヤ人の迫害の映画を観るたびに、考えてしまう私でした…。