1975年 アメリカ
刑務所での強制労働を逃れるため、
精神病を装って精神病院に入院したマクマーフィ(J・ニコルソン)
数々のトラブルを起こし、病院の管理体制に反対して、他の患者達をけしかけ脱走を試みます。
この年、数々の映画賞を受賞した不朽の名作です。
御覧になった方も多いでしょう。
管理体制への問題を提起していたり、精神病院の入院患者に対する人権侵害は
現代にも通じるものがありますね。
調べてみたら、日本でも以前、攻撃的な精神病患者の前頭葉に傷を付ける治療があったのを知ってビックリしました。
ただ、人権侵害や暴力に関してはアメリカの刑務所の方はまだまだひどそうですね。
確かにあの病院の治療法では病気が良くなるとは思えません。
けれども、マクマーフィが病院で起こしたことがすべて良かったこととも思えません。
例えば病院に女性を連れ込むこと。
これが出来ないからといって「人権侵害」とは言わないでしょう。
J・ニコルソンはまさしく地でいけそうなくらい適役でしたが、
婦長役のルイーズ・フレッチャーもとても素晴らしかったです。
人間的な感情を一切出さないように指導があったそうですが、まさしくロボットのよう。
でも、私には最後、ビリーに対する暴言以外は悪い人には見えませんでしたけど。
ちょっと微笑んだ時の顔がとても優しそうに見えたもの…
他の脱走モノと違ってマクマーフィは無実の罪とか善人ではありません。
彼自身は問題提起している訳では無く、当初の予想(病院は楽ちん)と違かったため脱走を試みただけ。
つまり、彼を応援するという気持にはなれなかったのですが、
病院の体制の疑問や、入院患者が起こしたトラブルに対しての制裁にとっても憤りを感じました。
それにしてもこういうお堅い作品の記事は私には難しい…