1993年 フランス
フランスとカナダの国籍を持ち、イタリア在住のアルチュロは、
カナダの空港でパスポートや現金など全てを盗まれてしまい、
搭乗券のみでパリの空港にたどり着きますが、
身分が証明できないため、一時トランジット(外国人処理区域)に留まることになってしまいました。
ところが、そこには空港から出られずに既に居住している人たちが…
以前鑑賞したアメリカ映画「ターミナル」の元となった作品だそうです。
外国からやって来た男がある事情で入国出来なくなったところは同じですが、
こちらはこの男以外に個性豊かな先客が何人かいました。
それにゴージャスな客室乗務員も出てきませんし、
空港職員とお友だちになることもありません。
お茶目なのは、「ターミナル」でトム・ハンクスが演じた男も同じですが、
映画の仕掛りのスケールを比べたら天と地。
エンターテイメント性の高いハリウッド作品に比べて、
フランス映画はこじんまりとして、人間味がありますね。
トランジットの住人の中では、言葉が通じずどこの国の人か分からない男に興味津々でした。
でも、明らかにジャワ島から来たとは思えませんでした。
アルチュロの奥さんも面白かったです。
気が強そうで、ヒステリーを起こしながらも空港内を必死に夫を探す妻。
最後、お気の毒でしたが笑いました。
そして、エンドの部分。
これこそ私の期待していた終わり方だわ~。
(「ターミナル」では男は皆に拍手されて出発したのですが。)
ふふっと笑えて暖かくなる作品でした。