2002年 フランス
1942年、ナチス占領下のフランス。
肉屋兼仕出し屋のおやじバティニョール(ジェラール・ジニョ)。
自分の勘違いから、同じアパートのユダヤ人家族が連行されてしまいます。
ところが、収容所からそのユダヤ人の次男が逃げ帰り匿うハメに。
そして、その子の従姉妹たちまで匿う事になってしまったバティニョールは、
3人をスイスに逃亡させるため一人奮闘します。
と、あらすじを読んだら、どう見てもこの時代の暗~い話を想像するでしょうね。
でも、このオヤジ、ただの肉屋の太ったオヤジで、
時代の波に飲み込まれて生活している普通のおじさんなのです。(後半まではね。)
人生の教訓なんて教えてくれません。
ですから、自分の身も危なくなってしまったオヤジの慌てぶりをクスッと笑わせてくれます。
緊張感はちょっとありますが、緊迫感はあまり無いのです。
他のナチスからの逃避行のお話とは違って、ノホホ~ンしています。
特に小生意気なユダヤ人の男の子(ジュール・シトリック)。
家族を連行されて可哀相なんだけど、憎まれ口は一丁前。
しかし、その従姉妹達と4人で国境まで逃げるバティニョールは、
始めは厄介者を追い払うつもりが、いつしか身内の子のようになってしまい…
お堅い作品ではありません。
涙も出てきません。
でも、バティニョールおじさんの実行力に脱帽の作品でした。