1947年、アメリカの作品。監督は「エデンの東」のエリア・カザン。
第29回アカデミー賞、作品、監督、助演女優賞を獲得しています。
何とこの作品はアメリカ公開から40年も経ってから日本にやってきました。
ユダヤ人排斥問題は日本には馴染みが薄かったと思いますが、
アメリカに考慮してのことでしょうか。
ジャーナリストのフィル(グレゴリー・ペック)は雑誌掲載の記事のために、
自らユダヤ人になりすまして、反ユダヤ主義の実態を取材し始めます。
ユダヤ人になってみると、自分だけでなく、家族や恋人の周りにも差別の影が…
アメリカは多民族国家ですから、差別されていたのはユダヤ系だけでなく、
黒人、東洋人、ヒスパニックと様々だったはずです。
では、何故この作品では、ユダヤ人の差別だけを取り上げたのかと考えましたが、
思いついたのはユダヤ人は見かけでは分からないということでしょうね。
前述の人種の人たちは見ただけで差別することができる。
だけど、ユダヤ人は特別な苗字などでしかなかなか判別しにくい。
この作品では今まで普通に付き合っていた人たちが、
ユダヤ人と聞いて、急に手のひらを返すように差別するのです。
最後の場面でフィルの友人のユダヤ人の男が、
フィルの恋人に諭す場面は誰もがドキッとするでしょう。
「沈黙は差別を助長する。」
たいていの人は差別に反対だけれども、
黙っていたら逆に差別を助長することになる、という事ですね。
ところで、途中パーティーの場面で「世界的に有名な物理学者」が登場します。
おそらくユダヤ人のあの御方のつもりなのでしょう。(詰め替えコーヒーのCMしてる?)
この人のセリフが面白いです。多分御本人もこういう人だったのでは。
天才(奇人?)は考えることが違います。
余談ですが、最初は字幕DVDで観ていたのですが、
セリフが長く、多く、難しく、しかも早口だったので、字幕を読むだけで必死でした。
途中から、日本語で、しかも字幕も日本語を付けて鑑賞したらGOODでした。
グレゴリーさんお声を聞けなくてごめんなさい。
でも、ハンサムなお顔を拝見できただけで満足です。
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