今回は、薬剤師として
薬に関して書かせていただきます。
トビエースについてです。
トビエースは、ファイザーさんから発売された「過活動膀胱」の治療薬です。
トビエースの4mgとデトルシトールの4mgが
ほぼ同等の効果だそうです
トビエースは、8mgもあるので、4mgで効果がなかった方は、
さらに用量を多く服用可能です。
(デトルシトールは最大4mgまでしか服用できないので、
トビエースはさらに効果が期待できる用量まで服用可能ですよね。)
トビエースは今までの薬と何が違うのか
抗コリンと呼ばれる、アセチルコリンが作用するのを妨げる薬が今回のトビエースであり、
今までの薬も抗コリンでした。
抗コリンの作用は、
M1では、認知症
M2・M3では、膀胱の収縮の抑制
M3では、口渇・便秘
といった副作用を起こします。
M1の認知症は、表情が暗くなるなどの症状で発見されるそうです。
この認知症が起こるのは、
1:脂溶性が高い(油っぽい薬)
2:中性なイオン(+でも-でもない)
3:分子サイズが小さい(薬の成分の大きさが小さい)
というような薬の性質により起こりえます。
薬がBBBと呼ばれる、血液脳関門(血液と脳の間にある門番のような役割)
を通ってしまい、
認知症を起こすようです。
(ただし、薬を服用するのをやめると認知症の症状はなくなるようです。)
トビエースは、
上記の条件とは3点とも逆の物質なため、
認知症を起こしにくい素晴らしい薬のようです。
また
「過活動膀胱」の薬は、通常60歳から服用するような薬なのですが、
今までの薬の治験は、60歳までの方で、治験というものを行っていたそうです。
しかし、トビエースは、65歳以上の方を対象に治験を行っており、
実際を薬を服用される方々を想定して試験が行われたようです。
(SOFIA試験というそうです。)
さらに、
トビエースの添付文書を確認すると、
トビエースには、「高齢者注意」の欄がありません。
それほど安全性が高い薬であることが分かります。
トビエースの効果は、
尿意切迫感
排尿回数
切迫性尿失禁
において、4週間で効果の発現が現れたとうデータがあります。
以上、
MRさんよりお教えいただきました。
これからは、トビエースが過活動膀胱の治療薬として活躍してくれそうです。