Deliroti (デリロティ) | 87便り "一生一緒の家族を探しています”

あれは半年前くらいだっただろうか。

韓国で大人気のパン屋さんが商店街に開店した。パン屋さんといってもパンは1種類。コーヒー風味のメロンパンで、中には塩味のきいたバターがたっぷり。まずいわけがない。

しかしこのお店、店員さんが韓国人で日本語がカタコト。しかも、これまで5回ほど行っているが毎回店員さんが違う。看板は「コヒーお持ち帰ります」みたいなおもしろ日本語看板やし、定休日を変えてみたり、突然お昼休みを入れてみたりと、せっかく我が商店街にできたのだから応援したいのだが、なかなか抜き差しならない。

それでも私は買いに行く。カタコトで頑張る店員さんも応援したいのだ。

そして昨日も御三時に。

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店員さんは、初めてみる20歳くらいの韓国人の男の子2人。まるでお客さんが入ってこないよう祈っていたかのように、私を見て一瞬ビクッとする。「いらっしゃいませ」の感じからカタコトなのが伺える。それも前回いた子よりカタコト度が上がっている。なんでこんなに店員が変わるんや?と思いながらパンを1つ注文すると、まだ焼けていないと言う。おいおい・・・と思いながらも、いつできるか聞いてみた。

「・・アト・・20プン・・・ヤケマス」

と、店員さん。

さすがにそんなに待てない。

「そっか。じゃあ今日はやめておくわ。また来るね!」

とお店を後にしようとすると、

「マタ・・クル・・・アトデ」

とどうやらパンが焼けた頃に戻ってくると勘違いしている。あらあらそれは申し訳ないと、

「いや、今日は時間が無いから、もう来ないよ!」

と言い直すと、驚いた表情に悲しそうな瞳で

「・・モ・・・ウ・・・・コ・ナイ・・・」

と絶望に打ちひしがられている。

そこで私がもう一度ちゃんと伝えれば良かったのだが、すでに体半分が外に出ていたので思わずそのまま帰ってきてしまった。

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気になる。






あの悲しそうな瞳が瞼の裏に焼き付いて離れへん。





なんやこれは。新手のマーケティングか?!と強がってみても抗えない。








・・アトデ・・・イクヨ・・。



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