薄田 典靖
株式会社てっぺん 取締役社長
1987年生まれ。現在は社長として、店舗に出るほか、事務・経営、他店の調査などをこなす。たまにある休日には、トレーニング、これからの仕事や飲食店の勉強を。尊敬する人は、親と『てっぺん』代表取締役大嶋啓介氏
業界注目会社の2代目社長を任されるまで
結局ニューヨークへは行かず入ったのが、海上自衛隊。「海上自衛隊に入るって友人がいて、雑談でおまえみたいなやつが入れるならおれも入れるって話をしていたら、それが自衛隊の人に伝わっちゃって。携帯に電話がかかってきたんです。“自衛隊には入らない、僕はニューヨークに世界一を見に行きたいんです”って話をしたら、海上自衛隊でもいろんなところに行けるところに配置してあげるし、お金を貯めながら勉強できる環境がきっとあるから、自分自身を磨けるからって。はじめは試験だけ、入隊して4か月の訓練期間だけ、ってい
ってたんですけど、結局3年間いましたね。その人が本当によくしてくれて、海外も6か国くらい行かせてもらいました」。
その後『てっぺん』に入社。社長に見込まれるほどの結果を出せたのはなぜなのだろう?「思いを形にする、あきらめなかったら絶対叶う、っていう気持ちは強いかもしれないですね。僕自身も思ったことを全部叶えてきたわけではないけれど、できないときってできないって思ってしまってるんですよね。できるときは、やるつもりだし、できるってわかってる。結局やるかやらないかですから。過程で絶対的な自信がないと実現しないですしね」
思いが強いから、その思いのために「できる方法をめっちゃ考えて」実行しているから、叶わないときは心底悔しがる。「挫折感を味わったこともあります。うち、店長を選挙するんですけど、新入社員のときに立候補してなれなかったんです。納得いかなかった。店長になったメンバー前にしてふざけるな、絶対俺のほうがお前らよりやってきたって言って号泣。まあ酔ってましたけど(笑)。入って1年目のくせにね(笑)。でもそのときは本当に落ち込みました。その頃、僕遅刻しただけで号泣してたんです、自分が許せなくて悔しくて。周りにもすごく厳しかった。できないんなら出て行け、っていうそういう感じ。いろいろ経験して今は人の気持ちを考えられるようになりましたけどね(笑)」
現在の『てっぺん』は、創業者である前社長が代表取締役としてもう一つの事業であるセミナー事業に集中し、店舗の営業は社長の薄田さんがみる。「さらにいいてっぺんをつくるために協力をしてくれないか、と打診されて社長を引き受けました。いまいちばんやりたいことは、代表取締役の大嶋を“日本でいちばんの男”にすること。いままで自分のやりたいことしかやってこなかった人生だから、誰かを応援するということをやってみようと」。
今後の展望として、海外にも目を向ける。「『てっぺん』は、韓国にもバンコクにもあるんです。日本の企業が海外に進出するのは当たり前になっているし、どんどん進出していく必要があると思っています」。海外といえば、高校時代に恋い焦がれたニューヨークへはまだ行っていないという。「大切にとってあるんです。早くて3年後には行こうと思っているんですが。でも今は、単純に“行きたい”というよりも、“出店してみたい”という気持ちですね」
編集協力/根橋明日美
編集後記
「周りの人に恵まれてる」という薄田さん。家族の影響も大きい。「親父が元経営者で会社を2回倒産させてて、僕が小さい頃、借金が1億円近くあった。でも親父は『人生なにがあってもやり直しはきくから』っていつも言ってます」。祖母の言葉も大切にしている。「小さな頃から『本当に典靖は立派。お前はほかの人とは違うからお前なら大丈夫』って。いまだに落ち込んだときには電話しますね」