22日の香港株式相場は小幅に反発した。
ハンセン指数の終値は前週末比60.69ポイント(0.26%)高の2万2997.91と、18日に付けた年初来高値(2万3023)に接近した。
主力の金融株が上昇して相場を支えたほか、夕刻にかけては欧州株式相場が高く始まり、投資家心理が改善した。
米国の早期利上げ観測や前週末の米株安をきっかけに利益確定売りが出る場面もあり、総じて上値は重かった。
ハンセン指数を構成する50銘柄のうち上昇は23、下落も23、横ばいは4。
香港メーンボード(東証1部に相当)の売買代金は694億香港ドルと10日以来の低水準だった。
米金融政策の先行きを占う上で注目度が高いイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演を26日に控え、取引手控えムードも漂った。
英系金融大手のHSBCやアジア保険大手のAIAグループが買われ、今週決算発表予定の中国建設銀行など本土の銀行株も高かった。
中国インターネット大手の騰訊HD(テンセント)がしっかり。
この日マカオに新施設をオープンした永利澳門(ウィン・マカオ)などカジノ銘柄が堅調。
半面、中国通信大手の中国移動が値下がりした。
米金融政策の動向に敏感な香港不動産株の一角が下げ、米金利高でドル高が進めば外貨建て債務の実質増加につながる航空株が売られた。
決算発表が近い中国人寿保険も軟調。上海市場で下げた中国の石油株が香港市場でも売られた。
香港上場の中国本土企業株で構成するH株指数は0.03%安。
本土系の香港登記銘柄で構成するレッドチップ指数は0.56%安でそれぞれ終えた。
香港取引所を運営する香港交易所はこの日から、値動きが激しくなった個別株の取引を一時中断する「サーキットブレーカー制度」を導入した。
22日の中国・上海株式相場は反落した。
上海総合指数の終値は前週末比23.2969ポイント(0.74%)安の3084.8051で、心理的節目の3100を6営業日ぶりに割り込んだ。
注目されていた深圳と香港の両市場間の株式相互取引の詳細発表が前週に終わり、当面の買い材料が出尽くしたとみた売りが出た。
証券、素材関連の下げが目立った。
深圳証券取引所の主要株価指数が大引けにかけて下げ幅を広げ、個人投資家の心理を悪化させた。
深圳証券取引所の全銘柄で算出する深圳総合指数は1.27%安、深圳の新興企業向け市場の「創業板」指数は1.68%安だった。
両指数は深圳・香港の相互取引開始への期待から前週ともに4%近く上昇していた。
新たな取引の手掛かりを欠くなか、下値のめどとみられた3100を下回って推移する時間が長かったことで、投資家が失望売りを出した面もある。
上海総合指数はこの日の安値圏で終えた。上海市場の売買代金は2076億元と、12日以来の低水準。
中信証券など証券株が軒並み売られたほか、非鉄金属が大幅安。
鉄鋼、セメントといった過剰生産に悩む業種が安い。
海運、自動車、造船も軟調。前週末に急伸した鉄道建設などインフラ関連株の一角が利益確定売りに押された。
半面、時価総額の大きい銀行株が相場全体に逆行する形で午後に上昇。公的資金による買い支えとの見方もあった。医薬品や食品、飲料など内需関連の一角が高い。
不動産は高安まちまちだったが、増益決算を発表した不動産最大手の万科企業は小幅上昇した。
上海の米ドル建てB株指数は0.44%安、深圳の香港ドル建てB株指数は0.56%安でそれぞれ終えた。