買い物の際、
特に急がない場合は、
スーパーなど売り場を大体1周する。
お買い得品という事もあるが、
今、自分が必要と感じる、又は、食べたい物。
それらを、感覚的に確かめるためである。
映画「君の膵臓を食べたい」鑑賞記。
映画版は、原作とは違う構成になっていると聞き文庫本を購入しました。
(映画を見るかどうかは本を読んでから・・・と、)
原作は、引き込まれるものの、 【参照⇒ウィキベディア先生】
なんとなく不完全燃焼のような気持ちで、泣かなかった。
私の悪い癖で、漫画は繰り返し繰り返し読むが、
小説は、2回目はかなり時間が経ってからでないと、
読む気が起きないというのがあります。
想像力が乏しくなっているのか?
「共病文庫」は、右綴じなのか、左綴じなのか?
(右綴じは、普通の小説の形式。
左綴じは、学校のノートなど、記述式の形態。)
「病との向き合い方」
「本当の理解者とは?」
そして、
「君の膵臓を食べたい」という言葉が胸に響かなかった
これらのモヤモヤを如何とも し難く、10月に入ってから鑑賞となりました。
映画は、原作では高校生の主人公が、
卒業して12年後、母校の国語教師となって赴任しています。
でも生徒とうまく向き合えなくて、辞職届を職員室の机の引き出しに、
忍ばせているような、気弱な青年を演じるは、小栗旬さん。
高校時代の主人公も、ヒロインの子も、
私が知らない方でしたので目新しさがありました。
(⇒⇒広瀬すずさんの作品を観すぎでしょうか?)
人物相関図⇒こちら
大抵の人は、自分の高校時代の思い出と重ね合わせる処ですが、
暗黒時代で封印している私には、無理な相談です。
余命いくばくもないヒロイン。
その秘密を彼女の身内以外で唯一知ってしまった主人公。
そこから、愛と涙の物語・・・・という話ではなかった。
気弱でありながらもしっかりとした考え方の持ち主である【僕】。
クラスの人気者であるが、膵臓を患って余命宣告をされたが故に、
親友にも気を遣って、真実を告げられない彼女ー【山内桜良】。
膵臓を食べたいというのは、体の悪い箇所があると、
その部分を他の動物の部位を食べることで、
病んだ箇所が改善されるという民間伝承にちなんだ話です。
貧血の私は、レバーを食べて・・・というのと同じようなモノ。
そう遠くない未来に死んでしまう彼女に対し、距離を取りつつも、
【彼女】のペースに巻き込まれていく【僕】。
秘密を厳守してくれる【僕】に対し、自分のしたいことを、
案外ストレートの進めていく【彼女】は、【僕】を「仲良しくん」と呼んで、
周囲をざわつかせたり(【僕】がクラスで一番地味な存在だった為)
してしまう。
原作の舞台がどこかはっきりと記されてなかったよな気がするが、
劇中では、滋賀県ナンバーの車が走っており、
偶然であろうが、【僕】の名前は、「志賀春樹」となっている。
付け加えて言うなら、山内桜良の名前は、≪桜=春の樹木≫で、
因縁めいたものを感じさせている。
劇中で、桜良が死ぬ前にしておきたいことで、
ホルモン(焼き)、ラーメンを食べる。泊りの旅行をする。というのを、
事前通達なしに【僕】に突きつけ、九州は福岡に行きます。
太宰府天満宮の神前。
かの有名な『飛梅』の横でお詣りをするところ。
兵庫県民時代に、同じく太宰府天満宮(&大相撲九州場所)に
行ったことがあったので、一目で場所が分かったのは嬉しかった。
豪華なホテルに泊まろうとするが、
ホテル側の手違いで、予約した二部屋に泊まれなくなった二人。
桜良は、(ホテル側の提案も有ってか)交渉して、
最上級スートルームに二人で泊まるように手配してしまいます。
原作そのままですが、いざ こうビジュアルで見てみると、
最上階からの眺めだったり、豪華な内装にダブルベット。
高校生のカップルには、ドギマギするようなシュチュエーションですな。
そこで、【僕】は、偶然であるが、彼女の持ち物から、
大量の薬を見てしまい、改めて彼女の死期を意識してしまう。
二人は、トランプの札を互いに引いて、数の大きい者が、
「真実か挑戦か」と云うゲームをして時を過ごします。
お互いの内面に触れていき、距離感は縮まりますが、
ダブルベッドで背中を向けあって眠るという形で収まります。
その後、段々と二人の関係が周囲に波紋を呼んで、
【僕】は校内靴を隠されて捨てられるという目に遭います。
イジメのシーンですが、【僕】に唯一、飄々とした感じで、
「ガム食べる?」と時折、【僕】に勧めてくるクラスメートのおかげなんですが、
サラッとして陰湿的で無くなったような気がしました。
映画「ちはやふる」や、現・大河ドラマ「おんな城主直虎」に出演中の、
矢本悠馬さんが、いい味だしてます。
その矢本さんの12年後を、上地雄輔さんが演じているというのも、
人柄をにじませているキャスティングですなー。
桜良の急な検査入院、そして長引く入院。
【僕】は夜の病院に忍び込むという事までやりのけますが、
それでもまだ一線を画して、距離を置こうとします。
「いつかわからず死んでしまう人を、想い人には出来ない。」
そう言わんばかりに・・・。
でも想いは募っていき、6月の頃に桜が見たいという、
彼女を希望を叶えるべく、北海道旅行を計画するに至る。
そこでも【ガムくん(矢本さん)】が、ここなんじゃないの?と、
図書館で情報を提供してくれていて、ようやく友達になっている様子です。
勧められたガムも、【僕】は口にしています。
でも物語はショッキングな展開で、伏線は引かれていましたが、
退院して【僕】と逢うために出かけた桜良が通り魔に殺されてしまいます。
病気でなく、狂気によって―――。
一ヶ月引きこもってしまい、ようやく桜良の家に向かった【僕】。
「共病文庫」を読ませてもらうために、
それは、彼女の胸の内を知る為でもある。
訪れた同級生に、誰も知らないはず、
いや、
「たった一人その存在を知っている人がいる」と伝えた娘の言葉が、
嘘でなかったと分かって、母親はさぞかし嬉しかったであろう。
親友にも話さないと決め、独り胸の内に抱えていた娘の、
たった一つの普通に生きて過ごしていたという思い出を、
一緒に共有してくれた人がいた。
これもうれしかったに違いないと思います。
私は、この辺り、もう涙で視界がにじんでましたが、
【僕】が共病文庫を読んで初めて心から涙を流すところが、
切なくて切なくて・・・。・°・(ノД`)・°・ナキナハレ ナキナハレ
原作で【僕】は、桜良の死後に恭子に友達になってくださいと告げるが、
映画では12年たった今も告げられていない。
でもガム君との交流はあって、結婚式の招待状も貰っている【僕】。
ガムくんと、恭子の結婚式当日に、ようやく見つかった桜良の遺書を手に、
図書館から駆け付けます。
桜良の意思を12年の歳月を超えて知ることとなった恭子。
「なんで今頃になって・・・?」
化粧ばっちりのウエディングドレス姿なのに、
手紙で号泣させられてしまいます。
〈←【僕】は、式場の人にも恨まれたでしょうね。ヾ(▼ヘ▼;) )
伏線が絡み合っていた糸がほつれるように、
伝えきれていなかった想いが、
ようやく、はっきりとした言葉でつながったのです。
「僕と友達になってください。」
【僕】の12年をかけた想いを、恭子は「はい」と受け止めます。
けど、
結婚式当日だったことは、
ず――っと、後を引きそうですがね。。。(* ̄▽ ̄)フフフッ♪
教室で一人。
孤独をいとも簡単に受け入れているかのような、
そんな存在の【僕】に、
病気で余命宣告をされた桜良は、
興味を持つようになったとなっています。
みんなと違う短い生き方しかできない自分。
でもそれをみんなに知られて、それによってみんなの気持ちや行動を、
私のせいで変えてしまうのは忍びないと、
孤独に耐えることを決めた少女の目には、
【僕】は、すごく立派な存在に見えたのでしょう。
「(偉人などの】爪の垢を煎じて飲む」ということわざと同様に、
自分の壊れた臓器の、
自分の心の埋められていない部分を、
【僕】と云う存在を取り込むことで、
自分というものと向き合って生きてゆきたい。
そういう気持ちからの、
「君の膵臓を食べたい」だったと、
映画のラストで溜飲が下がる想いでした。
悲しいのではないけれど、
涙、涙の切ない青春の物語でした。
私も、ピグ友さんから頂いた、
「寛解」という言葉を、大事に思っています。
まとまりのない長話に、
お付き合いくださいまして、ありがとうございます。
昨日、偶然に見かけたニュースで山内桜良を演じた浜辺美波さん。
映画の中とはまた違って見えます。