管見 プロメテウスの罠 37-1、2 | 夢破窓在のブログ

夢破窓在のブログ

放射線とは何か?
放射能とは何か?
福島事故とは何か?

管見 プロメテウスの罠 37-1、2

第Ⅶ巻 100年先まで伝える!原発事故の真実

第三十七章  給食に福島米

P12 同じ地域に生きながら生産者と消費者が対立する不幸な構図。

<SCRAP>
P16
福島市の大波地区で玄米1キロあたり630ベクレルの汚染米が見つかった。
当時の暫定基準値500ベクレルを上回っていた。

コメント:
暫定基準値は「玄米」で規定されているのでしょうか?
脱穀して、研いだ後に炊き上げるとどれだけ残るのでしょうか?
セシウム化合物は大変水に溶けやすいものです。
玄米で基準値を設けても意味がありません。

カイワレを食べて名を挙げた、と勘違いしている人がいましたが、はせ参じて米を炊いて食べて見せれば良かったのです。
もし玄米で基準を作っているのであれば、基準を作った官庁は炊き上がった米1合の線量を公開して、なぜ玄米の500ベクレルが妥当なのかを示すべきです。

<SCRAP>
P18
(放射線測定)
例えば桃なら1キロ分は3,4玉ほど。

コメント:
皮をむいてから測定したのでしょうね?
剥かずに測定したのなら、我々の口に入る量がどれ程になるのか示してもらわないと意味が無いと思います。

<SCRAP>
P20
その2ヶ月後、福島市で1キロ当たり1540ベクレルの汚染米が見つかる。
国の暫定基準値を大きく超える数値で・・。

コメント:
セシウム化合物は拡散すると斑(ムラ)が出来ます。
水はけの悪い場所にホットスポットを形成します。
この米が育った場所の問題なのか?
刈り取られた後の稲の置き場所の問題なのか?
玄米が保管された場所の問題なのか?

いずれにしろ問題にするべきは脱穀して、普通に研いで炊いた後に測定された数値でなければ意味がありません。
そして、1週間で1kgを食べるとして年間52kgの消費になりますが、どの1kgにも1540ベクレルが測定されていなければこの報道の意味がありません。

脱穀前の米で、52kg中の2kgが1540ベクレルを記録する、というような話だとしたら炊き上がったご飯には放射性物質は含まれていないでしょう。

<SCRAP>
P20
学校からの通知には「放射性セシウム134,137を各10ベクレル未満であることを確認」した12年産玄米を給食に使うと書かれていた。

コメント:
最新型のNaIシンチレーション測定器は20ベクレル以下を測定できるとカタログには書いてあります。
しかし、仕様の限界値のあたりの測定は難しいものです。
背景の放射線を除去し、時間をかけて測定する必要があります。
信頼出来る結果を得るには幾つもの試料を作って測定する必要があります。
簡単に10ベクレル未満である事なんか確定できません。
事故前から放射線の測定を商売にしているような業者にどれ程の信頼がおけるのかという問題もあります。
1kgあたり10ベクレル未満なんて簡単に確認はできません。学校の通知は信頼できません。
Cs134が10ベクレルなんて何処から飛んで来るのでしょうか?

<SCRAP>
P20
12年の作付けにあたり福島市は全水田に10アールあたり30キロのカリウム、200キロのゼオライトの散布を農家に求めた。稲のセシウム吸収を抑える為だ。

コメント:
セシウムの吸収を抑えるためにカリウムを使いますか?
K40の放射線はセシウムより強いのですが?
(実際はK40は電子捕獲の形で崩壊した時にしかガンマー線を出しません。その確率は10.7%ですのでエネルギー量はCs137より少ない。)
K40なんてカリウムの中にいくらも含まれてはいません。
それでもセシウムの吸収を抑えるためにカリウムを撒く感覚は理解できません。
こんな事をするより、炊き上がったご飯の放射線量を教えて下さい。

<SCRAP>
P20
本当に「各10ベクレル未満」が補償されるのだろうか?
検査はセシウムだけなのか?

P23
正確に20ベクレル測れるか

P24
県の測定器とゲルマニウム測定器では最大21ベクレルの差がでた。

コメント:
「検査はセシウムだけなのか?」と言いますが、セシウム以外にどんな物質が放射線を出しているというのでしょうか?
3ヶ月以上経ってしまうと、沃素を始めとする短い半減期の核種は崩壊が終了しています。テクネチウムなどの半減期の長い各種は崩壊量が少ない上、エネルギーの小さいベータ線しか出しません。
取上げるとしたらガンマー線は出しませんが、エネルギーはセシウムなみのストロンチウム90親娘しかありません。
この物質が空を飛んでお米の上に降ることは考えられませんし、玄米の表皮に付着したとしても中の米まで浸透してくる事も考えられません。

福島市の大波地区というと原発から45kmも離れています。どのようにして運ばれて来るのでしょうか?
基準は500ベクレルとか100ベクレルとか言っておきながらなぜ「各10ベクレル未満」を補償しなければならないのでしょうか?

10ベクレル以下なんてゲルマニウム測定器でも検出限度以下です。
このへんの数字は測るたびに大きく振れて当然です。21ベクレルの差なんて不思議に思う方がどうかしています。液体窒素環境で十分寝かせて温度を下げて測っても数字は測定の都度動くはずです。
10ベクレルに基準を設けていることが馬鹿げています。

<SCRAP>
P24
30キロの袋の中に29キロの0ベクレル米と1キロの750ベクレル米が存在した場合、検査では1キロ当たり25ベクレルと出る可能性があるのでは?

コメント:
あり得ません。試料は通常1kg単位で測ります。

<SCRAP>
学校給食用の米を30キロ袋まとめて検査するのではなく、1キロ単位でキメ細かく検査する事は出来ないのか?

P25
「測定器1台で1時間に3キロの検査が出来る。1日8時間動かせば1台で1日24キロ、42台使うと1日1トンの検査が可能になる。

コメント:
学校給食用の米が3トンあるとします。30kgの袋が100個あるわけです。
1食160gとすれば18750食分です。1000人の生徒が約20日間で消費する量です。
この米の放射線量を知るのに、1kgずつ3000回測定しろと要求している話です。
100袋の中から何個かを選び「何グラムかずつ採取して測定すれば統計的に有意な数値が得られる」と考えるのが常識です。3000回の測定など馬鹿げています。
数粒の線量が高い米が混入しているものとしても、一人の生徒が毎月その部分を食べる可能性はありません。
冒頭の玄米の630ベクレルを脱穀して、研いで、給食用の大きな釜で炊き上げて拡散させたら、口に入るセシウムなど微量で測る事はできないでしょう。


P33 信頼回復のために全水田、全果樹園の汚染実態調査をやろう。

P36
母親「子どもに食べさせるには0ベクレルじゃないと・・・。」
農地の放射線量を測らせて貰えませんか?

P39
農地すべてを調べよう。

コメント:
「レーズン」再掲しましょうかね。納豆のK40は200Bq/kgだそうです。まさかお子さんに納豆を食べさせてはいないでしょうね?

日本の土中には過去の中共の核実験で落下した放射性物質が存在します。
事故前の水田や果樹園に存在する背景の放射線がどれ程なのかを知っていないと今回の事故での増加分は測れません。
測るのなら、事故の影響の少なかった西日本での背景放射線量を測ってからにした方がよさそうです。
セシウムはその性格から中共産であろうがあるまいが、ムラを作り、ホットスポットが作られます。中共から飛んできたものも濃縮しているものがある筈です。
東京オリンピックの頃が最盛期でしたから、飛んできたセシウム137の量は半分以下になっていますが、4分の1にはなっていません。

<SCRAP>
ベラルーシを訪れた。そこでは農地一枚ごとに土壌を調査し汚染度ごとに作付け制限や作付けを認める作物の種類を決めていた。

コメント:
チェルノブイリの事故でも原発の近傍を除けば、飛んで行けるのは水酸化セシウムだけです。どんどん拡散します。ムラができます。
日本ほどの降雨量はないのでしょうからベラルーシでやっていることを無駄な事をしているとは断言できませんが、福島の参考にならないことは確かです。

<SCRAP>
P47
事故直後、水道水から1キロ当たり最高177ベクレルの放射性沃素が検出されたが市から使用制限はかからなかった。

コメント:
沃素なんて放出されていません。
水にもほとんど溶けません。沈殿してしまって水道水に含まれることはないでしょう。
測定器の使用方法の誤りだと思われます。

<SCRAP>
P47
(給食の米を拒否するために)
おにぎりを持ってゆくことでいじめられたりはしないだろうか?

コメント:
イジメられる事はないでしょうが馬鹿にされますね。それをイジメと受取るかどうかの問題だとおもいます。
こんな時におにぎりを持って行かせるような家庭のお子さんは、おにぎりと関係なく普段から「イジメられている」と感じているでしょうから「イジメが増加したかどうかの判断」なんて出来ないのではないでしょうか。