選ばれた人 | ブラック・レインのブログ

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松田優作を愛するボウリング好きで阪神ファンのオヤジです。←記事の内容は関係ないようですが・・・

去年12月に映画「タイタニック」などの米映画監督ジェームズ・キャメロンが

ある一人の日本人に会うために来日しました。

それもはるばる長崎まで・・・

そのある一人の日本人とは・・・

山口 彊(やまぐち・つとむ)さんです。

この方を私は今まで知らず、先日のニュース番組で初めて知りました。

その番組中で聞きなれない言葉を耳にしました。

「二重被爆者」という言葉です。

この山口さんは、1945年8月6日出張先の広島で通勤途中に被爆され、

左鼓膜が破れ、左上半身に大やけどを負いながら妻と子供に会うため、

翌日の救援列車に乗り長崎に帰って来ました。

そして、8月9日に勤務先の事務所で再び被爆。

不幸にも2回にわたって被爆した「二重被爆者」の一人で、

2度の直接被爆が初めて認定された方です。

何故J・キャメロンが山口さんに会いに来たかというと

山口さんは、2005年息子さんを原爆の後遺症とみられる癌で亡くしたことを

きっかけに、それまで以上に積極的に被爆体験を語り始め、2006年には

自ら渡米し国連本部等で核兵器廃絶を訴える活動をされていました。

そんな活動の中J・キャメロン監督に原爆をテーマにした映画の構想が

あることを知り、監督へ手紙を出されたそうです。

その手紙に感動した監督がわざわざ山口さんに会うために

来日したそうです。

2009年12月22日J・キャメロン監督が病室を訪問し、

映画の構想について話し、それを聞いた山口さんは英語で

「私の役目は終わった。後はあなたに託したい」と

語られました。

その時に監督が山口さんへ言った言葉が強く心に残りました。

「あなたは選ばれた人」だと・・・

その言葉に感動し、なんとも言えない気持ちになりました。


その約2週間後の

2010年1月4日午前5時38分、癌のため長崎市内の病院で死去。

享年93歳。

ご冥福をお祈りいたします。



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二重被爆者については、
国立広島原爆死没者追悼平和祈念館が05年、
被爆者の体験記約10万点と死没者約1万7000人を
調べ、広島、長崎の両方で直接被爆した記録が
9件見つかったが、確定はしていない。