エリック・クラプトン・ストラトキャスター開発ストーリー(その11) | John's BOOROCKSブログ-I Love The Beatles, Fender Guitars & Movies!

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昨日に続いて、フェンダー社初のシグネチャー・モデルである、エリック・クラプトン・ストラトキャスター開発の裏舞台についての話、その第十一回目です。

昨日は、マスター・ビスダーのマーク・ケンドリックとジョン・ペイジが、クラプトンからのリクエストに応えて製作したのが、ゴールドリーフ・ストラトだったとうところまでお話ししました。
このギターを製作するに当たって彼らは、まずプロトタイプのボディ製作から始めています。プロトボディを製作したのはジョン・ペイジでした。ジョン・ペイジは当時、カスタムショップの責任者をしていましたが、元々CBS時代からギター開発部門で、新製品デザインを担当しており、Bulletなどは彼のアイデアから作られたものでした。
ペイジの製作したボディは、フェンダー・カスタムショップでマスター・カーバー(彫刻を専門とした職人で、本来の職名は「マスター・アーティザン・ウッド・カーバー」という大仰なものでした)、ジョージ・アミケイに手渡されます。アミケイが行ったのは、このボディに23カラットの金箔を施す作業でした。

この金箔を貼る作業は非常に手間がかかるもので、昔ながらの手法で一枚一枚丹念に手作業にて行われ、その後ポリウレタン塗装を施します。その後、ケンドリックによって、十分に選定された美しいキルト目のメープル材から削り出されたネックをセット・アップされ、ゴールドプレートされたパーツを取付けて仕上げたのが、そのゴールドリーフ・ストラトでした。

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こうして製作されたギターは、1996年秋、クラプトンに届けられました。このギターを気に入ったクラプトンは、自身で手を加えて行きます。まずゴールドのピックガードに交換、そしてゴールドパーツがすべてサテン仕様となり、最終的には、ピックガードがプラスティックの1プライに戻され、パーツも通常のゴールドパーツに戻されています。

このギターは、クラプトンにしては比較的長く使用されており、約一年の間メインギターとして活躍しています。1997年10月13日から31日まで行われた日本ツアーでもこのギターが使用されていました。

余談になりますが、2011年に他界された日本のクラプトンとも言われた柳ジョージ氏が、カスタムショップのマスタービルダー、トッド・クラウスからギターを贈られています。この時贈られたギターは、このクラプトンのゴールドリーフ・ストラトと全く同じ仕様のストラトで、クラプトン同様のミッドブースターまで搭載されていました。ジョージさんはこのサウンドを大いに気に入り、晩年はこれをずっとメインで使用していました。

この続きはまた後日に。