健さん・文太さんの「初顔合わせ作品」東映東京「網走番外地・吹雪の斗争」安藤組長が激怒? | 東映バカの部屋

東映バカの部屋

東映制作作品を主体として書いていますが、たまに他の話題も…一人でも多くの東映ファンが生まれる事を望みます!

皆様、こんばんは。


今朝の6時に勤務を終え、水曜日8時の始業時迄の74時間休みに入りました。


一日中曇り空ではありましたが、ここ数日間は朝晩の冷え込みが幾分和らいでいる秋田市内です。


毎年思う事ですが、歳を重ねるごとに「季節の変わり目」の疲労感が重くなっている事。


特に「30代と40代でこんなにも違うものなのか…」と痛感しています。


今朝も帰宅後に洗車・掃除・洗濯・買物・食事を済ますと…そのまま寝てしまいました。


まぁ、大概の事は
「気合」と「意識」で乗り越えられられますし、若い連中に体力でも負けてはいられませんので(特に今の若い男の大多数は、一般常識から考えても全ての面でひ弱過ぎますから負けるとは思っていません)鞭を打って励むしか有りません。



さて、今日から11月に入りましたが…


去年の11月は
11/10に健さん(享年83歳)それから18日後の11/28に文太さん(享年81歳)という「同じ時期に東映の一時代を支えた「男(漢)」を演じた名優」が相次いで旅立たれました。


「東映ファン」「任侠/ヤクザ/実録ヤクザ映画ファン」にとってはこれ迄には無かった大きな衝撃となりましたし、数多くの日本の映像作品のファンにとっては昭和62年の6/16に鶴田のおやっさん(享年62歳)7/17に裕さん(享年52歳)が、共に慶応大学医学病院から旅立たれた衝撃以来の事でした。(私感)



今月はお二人の一周忌と云う事も有り、通常BS波/有料BS・CS波では
数多くの作品が放映される事になっています。



その中から本日は…昭和42年に松竹から東映に移籍した文太さんと、既に東映で「不動の地位」を築いていた健さんが初めて共演した作品です。



「網走番外地・吹雪の斗争」
(「網走番外地シリーズ」第十弾で最終作)。昭和42年12月23日公開・石井センセイ脚本/監督兼務・東映東京製作。


VHS/DVD/ブルーレイ化作品でDMM.com/iTune/YouTube内で有料動画配信が行われています。








※KINENOTEの作品案内は此方から



当作品は今月の東映ch「一周忌メモリアル特別企画【高倉健×菅原文太 共演作全12作品一挙放送!】」の枠内で放映の一作品として11/2(月)20:00~21:30・11/10(火)24:00~25:30・11/17(火)11:00~12:30・11/27(金)18:00~19:30に放映されます。(字幕付きHD放映)



※東映chの「一周忌メモリアル特別企画【高倉健×菅原文太 共演作全12作品一挙放送!】」の総合番組・放映時間案内は此方から(番組案内の動画も見られます)



※東映chの「網走番外地・吹雪の斗争」の番組・放映時間案内は此方から



●東映公式・YouTube予告動画






●東映公式・YouTubeプレビュー動画









この作品の撮影の際、安藤組長が石井センセイに無断で撮影地である北海道を去り、物語が変更されたのは有名な話です。


何せ、シリーズ第四弾「網走番外地・北海編」の撮影中に、千葉ちゃんを泳がせた際「溺れそうになったまま現場を引き上げた」という話を聞いた為に「こいつを何時かとっちめてやろうと思っていた」そうで…


そして
「快晴なのに撮影に入らない」「スモークを炊いて撮影をしろ!と言っても動かない」事で堪忍袋の緒が切れ、話を聞き付けた東映の関係者が説得したにも関わらず帰郷してしまいました。


しかし、昭和48年に健さんが主演で東映京都が製作した「現代任侠史」で石井センセイと安藤組長は再び仕事をしており
「お互いに紳士であった」と云う事になるでしょうね。



物語の流れは…終戦直後の北海道を舞台に、
無実の罪を着せられた健さんが脱獄して潔白を証明すると共に黒幕に一矢報います。




この時の文太さんの役は「ポスターに名前が載ってはいるものの、下も下」という位置に有った「囚人の一人」


しかし、安藤組長の配慮も有ったのでしょうか…
房を暴力で仕切り、悪徳看守(関山の耕さん)に媚びを売る囚人で「冒頭の中心人物の一人」でもあります。


「役者の格」では既に大きな差が有った二人ですが、健さんの東映入社が昭和30年であるのに対し文太さんは昭和29年に劇団四季の第一期生として入団し昭和31年に東宝製作「哀愁の街に霧が降る」(俺は未見です)が映画初出演。その後のモデル活動を経て昭和33年に新東宝に入社し「白線秘密地帯」で本格的に俳優活動を開始。(公式には「白線秘密地帯」が文太さんの俳優デビュー作となっています)



二人共に「役者としての年数」はほぼ同じで主演作も共に或る程度有ったものの
「極めて短期間で主役デビューを果たし順風満帆だった健さん・主役経験が有りながらも知名度はそう高くはなく、浮沈を経験していた文太さん」。


当作を鑑賞すると「余裕の健さん」に対し「人生経験では健さん以上に様々な体験をされてきた文太さんの、腹の底から吐き出される凄味と崖っぷちから這い出そうとする不屈の精神力」短い出番の中から容易に感じて頂けると思います。






文太さんが旅立たれて間もなく発売された「週刊文春・平成26年12月11日号」の中で東映の或る古参幹部が振り返った言葉によれば…(原文のままです)


当時文太さんは健さんについて「住む世界が違うよ」と呟いていたとか。


「本当に天と地位格が違っていた。健さんの前では文ちゃんは直立不動でしたから。


只、健さんは誰にでも優しくて「文ちゃん、東映ではこうなんだよ」と先輩として色々教えてあげていましたね。


二つ違いの兄貴と弟みたいな関係に見えました」



「健さんと文太さんはお互いに口数は少ないですけれど、ライバル意識は有ったと思います。


只、健さんは元々将来の独立を見据えていたので、二人の間に確執が有ったかというとそうでもない様な気がします。


東映は「売れなくなったら、どんなスターでもスパッと切る」という厳しい所が有るので、二人の根っこに有る思いは同じだったんじゃないかな。


文ちゃんは健さんに気軽に口を聞ける感じではなかったけれど、俳優、人間として尊敬していたと思います」



他の出演者は…辰ちゃん・風車の弥七・ヤマリン・タニー・相馬剛三・サワショウさん・蓮さん・八名の親分・亀山達也・日尾先生・宮園の純子姐御等々です。



最後に…今週もこの本をAMAZONから中古品で購入しました。(価格は新品のものです)


●左「父・鶴田浩二」(平成12年6月5日・第一刷発行。鶴田のおやっさんの長女であるカーロン愛弓・著/新潮社・刊/¥1300-+税)


●「銀幕おもいで話」(平成25年8月11日・第一刷発行。高岩談・元東映相談役・著/双葉社(双葉文庫)・刊/¥522-+税)



IMG_20151101_190542057.jpg




因みに高岩元相談役は檀ふみの叔父であり、ふみさんのデビュー作は東映東京「昭和残侠伝・破れ傘」(「昭和残侠伝シリーズ」第九弾で最終作・佐伯清監督)です。


高岩相談役と俊藤先生に半ば強引に撮影所に連れて行かれ、嫌々衣装合わせをしていた所で健さんに逢い「その格好良さに惹かれて出演する事にした」のが女優デビューの切っ掛けだったのだそうです。(ウィキペディアより)