モコちゃんは13歳のヨークシャーテリアの女の子です
「なんとなくどこかが痛そうで元気がない」という症状でした。
動物病院で見てもらったけれど、首のあたりが痛いのかもしれないというだけで、どこが悪いかはっきりわからなかったそうです。
こういう時、動物病院では非ステロイド性抗炎症剤(NSAIDs)という痛み止めを使って様子を見ます。
ところがモコちゃんは薬を飲んだり注射されたりすると必ず吐いてしまうのだそうです。
念のためにお薬を使ってみたけれど吐いてしまうので、動物病院では「薬は使えないので、このまま様子を見てください」と言われたそうです。
そこで、しちふくに往診の依頼がありました。
初めて会ったとき、モコちゃんの首のあたりを触ると嫌がるのですが、痛い場所がどこなのかはっきりとはわかりませんでした。
首を触られると嫌がるので、東洋医学的に首の「気の流れ」が悪くなっている と思いました。
初めて会ったのは夏だったのですが、モコちゃんは調子が悪くなると涼しいところに行ってぐったりしているという話でした。
モコちゃんは便秘をしやすい子でした。
「涼しいところが好き」「便秘気味」という話と、舌の色や脈などの診察から、モコちゃんの体調不良の根っこにある原因は「腎陰虚」であると思われました。
「腎陰虚」というのは虚証 の一種です。
腎陰虚などの虚証については次回以降に説明していきますね
初診時の診断として、モコちゃんは「頚部(首)の気滞を伴う腎陰虚」と診断しました。
そこで、首の気の流れをよくする治療+腎臓の陰を補う治療をしました。
モコちゃんは漢方薬でも吐いてしまったので、鍼だけで治療しました。
今ではどこかを痛がることはなくなりました。
便秘もなくなり、今ではとてもいい「バナナうんち」をするそうです
10歳を過ぎてから大人しくなり、寝ている時間が増えたのだけれど、鍼治療を始めてから若いころのように元気にはしゃぐようになったそうです。
お母さんは「年のせいで大人しくなったんだと思っていたけど、具合が悪かったのね。気づかなかったわ。鍼治療をしてよかった」と喜んでくれています。
モコちゃんは、今では月に1回の鍼治療が欠かせなくなりました
高齢になって元気がなくってきたけれど、動物病院で検査しても特に悪いところが見つからなかった場合、すべてを「年のせい」にしてしまわずに、東洋医学的な診察を受けてみるのもいいと思います。
毎月1回、可愛いモコちゃんに癒されているしちふくでした