東洋医学では体の不調を虚証と実証に分けて考えます。
この前 は実証についてお話ししました。
ツボや臓器は体の中でつながり合っていて
それらをつなげているもの(経絡)を高速道路に例えると
ツボや臓器は、高速道路の途中にある
休憩エリアに例えられます。
その高速道路を走る車や、車に乗っている人は
「気」に例えられます
実証というのは車が渋滞して、
休憩エリアも人でいっぱいの状態でしたね。
では、虚証というのはどんな状態でしょうか
虚証は長い時間をかけてゆっくりと進む慢性の病気です。
高速道路や休憩エリアがあっても、
車や人がほとんど来ません。
始めは利用客が少ないなぁという程度ですが
だんだん車も人も来なくなります。
車も人も来ない状態が長く続くと
休憩エリアで働いている人たちはやる気をなくします。
そのうち、従業員もみんな帰ってしまい
ガランとした建物だけが残されます。
誰も手入れをしないので設備が傷んできます。
虚証というのは、このように「気」=お客さんや従業員
がいなくなってしまった状態です。
では、そこに西洋薬を加えたらどうなるでしょう
西洋薬は応援部隊です。
実証のときは、交通整理をしたり、レストランを手伝ったりして
あふれんばかりのお客さんに対処します。
虚証で、お客さんも従業員もいないところに
応援部隊が来ても手伝えることはありません。
誘導すべき車はいないし
食事を待っているお客さんもいません。
いつお客さんが来てもいいように、準備をしようと思っても
食材はないし、設備も傷んでいて使い物になりません。
せっかくやってきた応援部隊はなすすべもありません
この様な状態になるので
虚証のときは西洋薬の効果が出にくくなります。
慢性の病気にかかっている人や高齢の人は
だんだんお薬が効かなくなってきて
薬の量や種類を増やさなければならないことがあります。
増やしても、今一つ効果がパッとしないこともありますよね
そんな患者さんは虚証なので
応援部隊である西洋薬を増やしても
体が反応しないので、効果が出にくいのです。
鍼治療や漢方治療では
気や免疫の状態を高めようと働きかけるので
虚証の患者さんにも効果が期待できます。
もちろん、人だけでなく動物の虚証の子にも
効果が期待できます
実証や虚証には、さまざまなパターンがあるので
これから少しずつ説明していきます。