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緑高の楽屋

BL小説書いてます。
本家「まっちゃまろまん文庫」の整理ブログです。
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「練習試合の時、誠いた?」
「ああ、うん。高校はウチに来たみたい。てか、来てる。」
そっか。和は知らなかったんだ。
オレも最初は驚いた。引越しして帰ってきたってわけでもないって言うから余計に。また一緒に部活やってるうちに慣れてしまって、ついつい中学の時からずっとそうだった様な気になってた。


「オレが仲良かったヤツってさ。何でかみんなオマエの方に行くよね。」
「?なんじゃそりゃ。」
「何かの……グループ?クラスとか班分けとかそういうの。」
「そうなん?」
「そうな気がする。」
「たまたまじゃない?」
「たまたまだけどね。」

まあ、あるよなそういうこと。同じとこにあんま仲良いヤツいなくて、他のとこに固まってたり。何にしたってなるべく気の合うヤツと同じとこがいい。だからチェンジしたいな、とか。どうせ班分けなんて出席番号とかでテキトーに区切ってるだけなんだから誰かと入れ替わったっていいはず。けどダメなんだよな。
あと、こういう時必ず言われる。和とチェンジするなって。やるわけねーだろ。バレるもん。何回かやってバレたもん。懲りたもん。
何か損だよな。間違えられるのに交替できないって。



「そういや、また麗佳に告られたんだけど。」
「よかったじゃん。」
「オマエが。」
「?」
……「?」じゃねえよ。
「『また』っつったろ。」
「………………ああ!」
忘れてたのか!あんなにしつこ……熱烈に追っかけられてきたのに。
でもまだ少ないヒントで気づいた方か。昔に比べたら……どうなんだコイツ。

「あと、侑依な。アイツも好きみたいだぞ、オマエのこと。」
「え~、侑依?」
何だ。贅沢だな、コイツ
「…………って誰?」
……良かったな、麗佳。すごいぞ。和に存在を認識されてるって。
もしかしたら和の中で顔と名前一致してる女子なんてほとんどいないのかも。だとしたらかろうじてでも告られたことは覚えてるってのはほぼ奇跡だ。
「…………。」
玉砕しながら粘った分は無駄じゃなかったな。