ある日。仕事が終わり、喫茶店で音楽を聴きながら雑務をしていた時のことです。
イヤホン越しに「間違った強さを覚えてはいけないよね。」という言葉が聞こえ、ドキッとしました。
会話の前後は分からないものの、その言葉は今でも残っています。
以前のわたしは、強さにとても拘っていました。
誰よりも弱いから、誰よりも強くなりたかったのです。
誰かを守れる強さ。
誰にも頼らず、ひとりでも乗り越えていける強さ。
ある意味、これも「強い」という事かもしれませんが、人を頼ることができない、信じることが
できない、弱さの現れでもあります。
間違った強さ、正しい強さ。
そもそも強さというものに、正解があるのだろうか。
強さとは一体、何なのだろうか・・・
一つ言えることは、間違った強さには孤独がつきまとう。ということです。
本当に強い人は、人を頼ることを知っています。
寄りそい、包みこみ、抱擁することを。独りには限界があることを、知っています。
そして、人は裏切る生き物だと知りつつも、信じぬくことを知っています。
もともと人は、見える世界でも、見えない世界でも、弱い存在です。
それでも誰かの支えを得ることで、強くなれるのかもしれない。
道見