ずっとそこにいる霊体がいる。
特に何をするでも無く、何か危害を加えてくるわけでもない。
もちろん霊体なので、ある種の放射性物質である冷気を発している。
その冷気を受けるために肉体を持つ生きている人間は霊症にあう事になる。
でも、その霊体は危害を加えようとか、邪魔をしようなどの思いを持っているわけではない。
_____
今から360年前。
畑を耕し野菜を育て細々と生計をたてている「おさだ」という女性がいた。
おさだは、「じゅうべえ」という夫との間に3人の子供をもち、豊かではないけれども幸せに生活していた。ただ、三番目に授かった女の子にはいつも気苦労をかけられていた。
「さえ」という名のその子は天真爛漫で畑で作業をやっていると、いつの間にか見当たらなくなっていた。小さい頃から肥溜めに落ちたり、蜂に刺されたり、よく病気をしたりもした。そんなさえをおさだはとても可愛がっていた。
おさだが老齢となり、孫が大きくなってからでも、さえだけはおさだに色々な面で気苦労をかけていた。
ほどなく、おさだは天命をまっとうすることとなる。
肉体を失い霊体となってしまったおさだは、死んでからもおさだの事が可愛くて可愛くて、もちろん心配で仕方なかった。
霊体となり、娘の事が心配ででも可愛いと考えていたおさだは、その思いだけの霊体となり、さえが亡くなるまでずっと、さえの寝床に居続けた。
さえもまた天命をまっとうし、亡くなると、今度はそのさえの娘の寝床に居続けた。
またその娘が亡くなると、今度は身内であろう誰かの寝床に居続けた。
ずっと、ずっと、娘が生まれればその子の寝床に居続けたのです。
因縁という言葉は悪い方向性のものだけではない。
このようにその家系の娘を可愛く思いそして見守るだけの霊体も確かに存在しているのです。
しかし悲しきかないずれにしても霊体は冷気を放っており、おさだに見守られる娘は皆霊症にあうことになる。つまりは、極度の冷え性になるのです。
シックスセンス管理人
↓をクリックして頂ければ管理人は喜びますヾ(@°▽°@)ノ