REPORT - 0505│乾坤山 鋸山採石場跡 - 旧道
千葉県│鋸山採石場跡
滅びの美学 [ 廃墟・廃屋・遺跡・廃村・廃道 ] 探索 - 乾坤山 鋸山採石場跡 - 石切作業夫道
今迄も何度か取り上げてきた鋸山の石切り場跡、今回は現在殆ど人が通らない廃道へ行って来ました。つい最近、1ヶ月位前(再訪時)にも通り道をエントリーしたばかりですが燻っていた種火を完全鎮火させる為に再訪。
やっぱりココは面白いです。
ちょっと前にエントリーした内容は下記より。
さて本日の鋸山はいつもとちょっと違う、何て言ったって殆ど人が歩かなくなった場所を薮漕ぎして進もうって言う怒M企画。そして最初に言ってしまえばその廃道の写真が全然無いと言う…うん、面倒なんだよ…あんな激しい道だか何だか解らん場所でカメラ構えるのは…。
何時もの「割橋」コンビで行く、マゾッ気たっぷりのエントリーを始めると致しましょうか。
地獄のぞき、そして直ぐ脇には百尺観音。普段の鋸山だ、平日だと言うのに親子連れや観光客が多い。そんな中、明らかに場違いな2人組みがその場所に居た。
これから行くは鋸山が石切り場として現役だった当時に作業夫達が使用した道路、現在は登山客も使用しない完全な廃道だ。そもそも当時からして記録にない道路、地図にも関連資料にも記載は見当たらない。
それでは何故知っているのか…。
大きな声では言えないがこの場所、許可を無しにロッククライミングする輩が結構存在した。随分前の物だけどウェブで拾った記録を。
http://www.honjo.gr.jp/climbing/chibafree/chibafree_area_nokogiri.html
現在ではこんな酔狂な人達も来なくなった、と言うか場所を移して今でもやっているのだけどそれは内緒なんですよ。
そしてそんな人達と一緒に遊んでいた僕としては当然この場所も知る事と成ります、先程も書いたけど最初はこの場所でした。
更にロックからトレッキングの人達伝いに今回の作業夫道路の存在を教えられ、10年以上経過した今もう一度その道を歩こうと。
そしてその廃道っぷりに閉口し、開いた口が塞がらない素敵な荒れ具合。写真はそんな場所へ到る酷いブッシュの途中に思い出した様にカメラを取り出した所からと成る、夏場に行っては駄目だった。
1ヶ月前、約10年振りに通った石切り場への道。薮々っとしてるのは以前と同じだけど成長著しく、孫とて男なら3晩会わずば活目せよとの言葉通り。この付近はヒルが居ないのでそれだけが救いです。
前回はココで遊びました、今日はスルーしてどんどん進みましょう。一山越えてお隣の石切エリアへ。
凝灰岩が砕けて出来た砂の斜面を滑る様に降りる、帰りの登りが不安で一杯。
写真左下に薄っすらと光が見える筈だ、そこが人一人通れる岩の割れ目でして。ココから隣のエリアに向います。ええ、10年前はココから先に進めたんですよ。10年前までは…ね。
おい、何か昔と…違う…ってか狭ぇよ。何だコレ、地震で崩れたのか…って狭ぇってホント。イタ…痛い痛い痛い、挟まるって…いってぇえ。
ふぅ、どうにか乗り越えた。写真中央の小さな隙間から登ってきましたよ。
って、あれ?
解り辛いと思うけど写真中央の草が茂っている場所、昔はもっと下が見えていた筈なんだ…なんで地面が上昇してるの…?
ん、いや…これは水溜りか。
岩場と岩場の間に雨水が溜まったのだろうか、そして深さは驚きの2メートル越え。ああ、ココまで来て行き止まりとか勘弁して下さい。
迂回するか…にしても本当に作業夫道に迂回出来るのかよ…もう道が無いんだぞ、迂回すると。
そしてこのブッシュである。
あああああああああっブッシュ鬱陶しいわぁぁああ
懐かしいな、この象さんもこの廃道も。さて、進むか。しかし先程から相棒の掛け声が気に成って仕方が無い、
( ゚∀゚)o彡°粉!( ゚∀゚)o彡°砕!( ゚∀゚)o彡°骨!( ゚∀゚)o彡°折!
とけたたましく声を張上げて着いて来る、どうした相棒よ…心と一緒にどこか骨でも折れたのか。
あ、迷いました。道が解りません、記憶も御座いません、本当に有難う御座いました。
当日、真面目に道が解らなくなって山中をウロウロ。昔は更に石切の絶壁伝いに奥地へ行ったもんだけど地形が変化し過ぎちゃってるのなんの、時間的にコレ以上迷うと復旧路へのルートファインディングに支障が出そうだ。相棒が重い空気を見かねてか再び大独唱…
( ゚∀゚)o彡°粉!( ゚∀゚)o彡°砕!( ゚∀゚)o彡°k…
だまれっ!
ココは帰宅してからのビールの為に勇気ある撤退を、僕らは負けたのではない…早くビールが呑みたいだけなんだ。
40分程小さなピークを無理矢理乗り越えて最初の石切り場まで戻る事が出来た、これから登山道に戻って更に長い階段を登るとか…嘘だろ。
ヨレた歩きを見て相棒が心配の声を掛けてくれる。
「大丈夫ですか、腰とか歳とか、仕事とか…(棒」
彼のギラついた優しさが骨身に沁みて、痛い。
高台からお別れの挨拶、楽しい時間を有難う。でももう来ません、アリーデヴェルチ(CV:小山茉美)。
今回の旧道(廃道)はちょっと危険な行程も在ります、技術的な問題ではなくて崩落の可能性が非常に高いと言う観点から正直行かない方が良いと思われます。
ロープも必要ない場所だけど、それでも危険が危ないルートなのでオススメ出来ないと書いておきます。
山頂駅(鋸山ロープウェイ)側から石切の絶壁裏に出て酷いブッシュを書き分けると幾つかの石切り場が顔を覗かせます、地図上でも解るとおり裏手から再度鋸山自動車専用道路側に出る事が出来る場所が在ります。
しかし地図上と違い、この場所も道具と技術がないととても降下出来る場所では在りません。ロック経験者なら随分と遊べる場所です、ですが凝灰岩の岩肌の自然侵食(加工された壁面に関しては特に)が酷くて現在はクライミングもラペリングも出来かねる状況です。
アプローチ
ロープウェイと自動車専用道(鋸山観光道路)、裏手中腹部駐車場から徒歩にて向う3つのアプローチルートが在ります。一般的には自動車専用道が楽、他にもオススメ出来ない登山道や獣道からのルートも在りますの。この場所までは国道127号線にて、入口は上記の様に数箇所在りますので各自お好きなルートを選択して下さい。
地図リンク
写真撮影:6Frogs Design Works
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