「あっ!そう!そうなの!!!」
俺に撫でられるのが心地好かったからか、目を閉じ、されるがままになっていたキョーコは、急いで帰ってきてどうしたのかという俺の質問に、一瞬キョトンと首を傾げた後、キラキラとした目で満面の笑みを浮かべて俺の方に身をのり出した。
(撫でられて、忘れてたんだ…可愛い)
「あのねあのね、今日すっごーーーいこと教えてもらったの!」
「凄いこと?」
「うん!きっと蓮兄も知らないことだよ?」
「俺も知らないこと?」
「うん!」
「へー、何だろう」
「聞きたい?聞きたい?」
「うん、聞きたいな?」
両手を胸元でギュッと握りしめ、興奮気味に喋るキョーコ。
「じゃあ、蓮兄に教えてあげる」
「本当?嬉しいな」
(可愛い可愛い可愛い可愛い可愛いカワ)←病気。
俺もキョーコが話しやすいようにキョーコの方に顔を近付けた。
俺は、椅子に座っていてキョーコが立っているせいか、身長が高い俺も今はキョーコと目線が同じ位になっている。
得意満面な様子のキョーコをからかおうかと思ったが、拗ねてしまうキョーコも可愛いけど取り敢えず真面目に聞くことにする。
「あのね…教えてもらったの…」
「うん」
「・・・・・赤ちゃんの作り方///」
「!?」
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『赤ちゃんの作り方』
目の前にいるキョーコは、そう言って顔を赤く染めて、恥ずかしそうにしている。
目を見開いて固まる俺。
今、キョーコは何て言った?
教えてもらった?
作り方を?
誰に?
いくつもの疑問が浮かんでは、消えていく。
(ま、まさか実践!?)
ハンマーで殴られたような、実際に殴られたことはないが衝撃を受ける。
「やっぱり!蓮兄も知らなかったのね!?」
固まった俺を知らなくて驚いているんだと勘違いしたキョーコは、得意気に胸を張る。
(イヤ、シッテマス…シッテマスヨ、キョーコサン)←動揺
「どうするか知りたい蓮兄?」
キョーコの口から、そんな言葉を聞く日が来るとは夢にも思っていなかった俺は、知ってますとも、知りたくないともよもや言えず…。
答えない俺に、教えたくて堪らないというように、キョーコの手が俺の腕に触れ揺すられる。
「ね?どうするか、知りたい?」
揺さぶられるのと一緒に俺の理性もぐわんぐわんと揺れた。
「…どう・・・・する…の?」