誓いの言葉-20- | 恋愛前夜

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はじめまして。
ここは、私が大好きな漫画から想像した小説を中心に載せているブログです。
作者さま、出版社さま、その他関係者さまとは一切関係ありません。
好きが深まって、個人的に小説を書いています。
心の広い方、二次小説に理解のある方のみお読み下さい。

「社さん!…まだ事務所にいたんですね?」

声をかけるのと同時に、キョーコの腕を然り気無く引き、蓮は自分の背にキョーコを隠すように倖一の前に立った。

「え・・・・??」

蓮の後ろで、キョーコが驚きの声と共に見上げてくるのが背中越しに、蓮には分かった。

「蓮!?用事終わったのか…?」

「はい、…帰ろうとしたら、社さんの姿が見えたので」

「そっかぁ…お疲れ!」

「お疲れさまです…こちらの方は?」

「ああっ!紹介するよ…彼女は俺の…婚約者の水口加那」

「こんばんは。はじめまして…敦賀蓮です。ご結婚おめでとうございます」

突然現れた人気俳優に倖一の婚約者である加那は、心底驚いた顔をした後に、蓮の整った顔と笑顔に釘付けになり、顔を赤く染め、蕩けるような瞳で蓮を見た。

自惚れる気はないが、これが普通の反応だよなと蓮は後ろにいるキョーコと初めて会った時を思い出し、違いに苦笑いを浮かべる。

倖一は、いつも蓮の笑顔に、蕩けてしまう女優たちを沢山見ているとはいえ、蓮をぼーっと見つめる加那に苦笑いをした。

「……那?…加那?」

倖一の何度目かの呼びかけに、漸く加那は反応し、まだ朱の残る顔で、蓮に頭を下げた。

「はじめまして。水口加那です!」

明るい口調で、柔らかく微笑む加那。
そっと倖一の腕に絡まる様は、倖一と並んでも遜色ない大人な女性を思わせた。

「いつも倖一さんがお世話になってます」

「いえ、こちらこそ!社さんには、いつも支えて貰って、とても感謝しています」

蓮と加那が形式的な大人の挨拶を交わす。

「これから加那と夕御飯に行こうかって話してたんだ…蓮も時間が大丈夫なら行かないか?」

いつまでもこんな目立つ所で、人気俳優の蓮と立ち話をしていられないと倖一が提案する。

「よろしければ…どうですか?…キョーコちゃんも、ね!久しぶりにキョーコちゃんに会えたし、色々ゆっくり話したいな?」

蓮の後ろにいるキョーコを覗き込むように、加那がキョーコに話しかける。
ニコニコと嬉しそうに笑って、キョーコに会えたことを心から喜んでいるのがよく分かる。
妹を見るような優しい瞳。

どう動くことが正しいのか、蓮にはよくわからない。
けれど…あの作り物のような笑顔と今、無意識に握っているであろう蓮の上着を掴むキョーコの微かに震えた手が、全てを語っているような気がした。

倖一や加那には悪いが、蓮は静かに口を開いた。