成功体験によるマインドチェンジ
ある自治体で5S研修 を実施したときのこと。
「庁舎を利用する住民から、職員の職場が乱雑・・」という指摘を多くいただいた・・というのが、5Sの研修を行うことに決めた理由だということでした。
担当者と研修の対象者や研修の進め方等について確認した後、事前診断 を実施。
住民からのクレームがあるだけあって、客観的に見てその乱雑さが目に付く職場でした。
事前診断 時の写真はアップできませんが、段ボール箱や備品、いかにも不要なファイル類といったものが、職場の隅に積み上げられているのがカウンター越しから容易に目に入ります。
ちょうど、将棋の駒で遊ぶ“山崩し”のような積み上げ方・・
いろいろな職場で5S研修の事前診断 を行いますが、あまり見たことがない状態でした。
1週間後、その自治体の職員を対象に5S研修 を実施。
職場の写真を全員で確認した後、グループで自職場の現状について討議していただきました。
討議の結果について発表してもらったところ、多くのグループでは、現状をふまえ、今後、自分たちの職場をどう改善していくか、その際に、5Sをどう位置づけていくかについて熱心に議論したことがわかるものでした。
一方、少数ではありましたが、「5Sが重要なのはわかるが、自分たちの職場では5Sの推進はムリ。その理由は・・・」と、現状を変えることを否定する理由について議論していたグループもありました。
庁舎を利用する住民のクレームの声が多く寄せられているにもかかわらず、一部の職員には「現状を変えない」ことを正当化しようという心理が働くことに、改めて職場を変えることの難しさを感じた次第です。
5Sの推進に限らず、何かを変えようとすると多かれ少なかれ直面するのがこの“抵抗”です。
そして5Sの推進に取り組む多くのリーダーが最も苦労するのが、現状を変えることを拒む“抵抗”とどう向き合い、マネジメントしていくかなのです。
ちなみに、5Sでは、その“抵抗”が“協力”に変わる妙薬があります。
それは「成功体験」
「要らない物を捨てただけで、何だか、職場が明るくなった」
「整理整頓できると、仕事がやりやすくなった」
「職場がきれいになったね、と利用者にほめられた」
などなど・・
どんなに小さくても構わないので、職場のメンバー一人ひとりが「成功体験」を味わうこと。
それができれば、重い石の球が転がり始めるように、最初は少しずつ・・
そして、徐々に転がり始め、次第に勢いよく転がるようになっていきます。
リーダーに求められるのは、焦らないこと。
そして、職場のメンバーを理屈で納得させようと力むのではなく、メンバー一人ひとりが実感として「成功体験」を味わうことでマインドが変わるようにマネジメントしていくことが大切です。
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物の配置に対する客の土地勘を大事にして!
CDやDVDを借りる時に利用する某レンタルショップ。
無料レンタルサービスの葉書が送られてきたので、久し振りに行ってきました。
行って驚いたのが、大規模なレイアウト変更。
レンタルコミックが大幅に拡大され、CDは規模縮小?
棚の配置も大きく変わり、何がどこにあるのか・・初めて訪れたような感覚を味わいました。
店に行く前は、あそこの棚のあの辺でお目当てのCDを探してさっと帰る・・
そんなイメージを持っていましたが、店に入るなりそのシミュレーションは裏切られました。
結局、まごまごしながらお目当てのCDを探す羽目に・・・
この店、以前からレイアウトのマイナーチェンジが多く、そのたびに苦い思いをしていたのですが・・
ある程度、どの辺りにどんなジャンルがあるのか・・物の配置に対する“客の土地勘”をもう少し大事にしていただきたかった。
同じように、私たちの職場でも物の配置にかかわる土地勘を大事にすることが必要です。
必要な物を思い浮かべただけで、その物がある場所が瞬時にイメージできる・・
職場における物の土地勘を大事にすれば、業務の効率を確実にアップさせます。
そのためには、職場での整頓 を維持し続けること・・これが大きな課題となります。
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