振り子の音が木霊する。
静かに、それでいて煩く。
流れてる時間を理解できるように。
振り子は綺麗に音を奏でる。
いつの間にか日差しは夕暮れに。
それでも振り子は静かに響く。
冷たいコーヒーに、読みかけの本。
いつかと同じ時間。
いつもと同じ時間。
けれど、少しだけ違ってる。
昨日とは少しだけ違ってる。
呼んでいる本のページとか。
夕暮れの色とか。
雲の形とか。
それでも、変わらないのは振り子の音。
いつまでも。
そう、いつまでも奏で続ける。
何かを導くかのように。
何かを拒むかのように。
未来を否定しているようで。
過去を忘れていくようで。
でも、それは今を奏でてる。
ゆっくりの様で、
とても早い。
どこか切なくて、
どこか悲しい音を響かせて。
時計は今日も音を奏でる。
静かに、時を刻んでく。