ビンテージオーディオの扱い方 (アンプ編) | 禁断のKRELL

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ハイエンドオーディオやヴィンテージオーディオを語っていきます。



製造後二十年以上経過した海外製アンプの取り扱いについてまとめました。




0. 入手時に最近の動作状況が不明(または長期間通電せずの場合)は最初の5日ほどは
毎日1時間までの使用に限定する事。

1. プリの電源を入れて5~10秒置いてからパワーの電源を入れる。消す時も同様に
時間をあける。電源投入直後には突入電流が流れるため。

2. また、電源を落とす時はパワーをOFFにしてから5秒~10秒後、保護回路のないもの
は数分後にプリの電源をおとす。


3. しばらく使わない期間があった場合、プリの電源を入れて10分置いてから、
パワーの電源を入れて、しばらくたってから音を出す。

4. 一日以上使っていない時、アンプの電源を入れてしばらくは音が曇っている。
これが30分も経つと鮮明になってくるが、いつまでも鈍いままだとコンデンサー劣化が
考えられる。普段から音のコンディションの変化には注意する事。

5. 動作不安定なアンプについて、ビンテージアンプは毎日電源を入れる事が
安定させる一番の方法です。
プリはなにも繋がなくてもOKで、毎日そのまま電源を入れる
パワーアンプはダミー抵抗か、8Ωの壊れても良いボロスピーカーを繋げて動作させる。
また、コンセントに電源プラグを挿したままにしておき、コンデンサーが放電しないようにする。
ただしこの場合はスイッチ付きの電源タップだと電源が遮断されるのでダメである。
雷雨時には落雷でオーディオ機器が壊れる可能性があるのでコンセントから外しておく。
電源スイッチがない製品に関しては、ベストなのはゼロクロススイッチを使う事である。

6. 電源OFF直後のON、電源ON直後のOFFは動作不安定になるので禁止。(頻繁なON/OFF)

7. 電源を入れた状態で、入出力の接続を行うのは"厳禁"です。

8. ケーブルの短絡(外れること)はもっての他です。

9. 島国の日本は夏季に高温多湿となる。ビンテージ機器の製造国の欧米は大陸にあるので
日本より湿気が全然少ないので対策が必要である。24時間除湿機を可動させて錆対策とする。
ビンテージ製品には共通するが、エアコンや除湿機能では対策にならない。
外出時には電源を落とすからである。

10. セレクター・ボリュームを定期的にカチャカチャ動かして接点の錆対策。

11. 特殊なシールドをしたスピーカーケーブルはご注意ください。推奨は一般的な平行2芯のケーブルです。

12. 動作状態でのタッチテストをしてはいけません (入力端子を触るなどのハムテスト禁止)

13. ブリッジ構成のアンプはスピーカーケーブルがシャーシに触れるのも禁止
 
14. ファンを持たないヒートシンクタイプは、十分な周囲からの空間が必要。
ファン付きの発熱が多いアンプも同様

15. 電源を他の機械から取らない。

16. アンプの発信。 アンプが発振すると高周波の波形が乱れ、聴感上では
分からないが
ツイーターを破損する恐れがあるので注意。測定機が必要。

17. 欧米のオーディオメーカーはこうした製品のユーザーが扱い方を理解していて
当然であるという認識で機器を製作している。音を悪くする保護回路を入れる必要を
認めないのである。アメリカのマッキントッシュやアキュフェーズなど日本製は
誰にでも扱えるようにデザインされている。


( 文責: 筆者 ご教授頂いた方、大須のオーディオ店 I 様 他 )