来場者は24万人
 幕張メッセで行われていた東京オートサロンが無事閉幕した。来場者数は243,077人。昨年より僅かな増加。'09年に前年比7%減の229,201人へと落ち込んだ時には、カスタマイズカー人口の減少も心配されたが、ここへ来て24万人台へ復帰。ここ5、6年で見ても悪くない数字に落ち着いた。
写真はコチラ。

エコタイヤとオフロードタイヤ
 そんな中、会場で目に付いたのは大手メーカーのエコ度数のさらなるアップと、エコとは無縁? のFJクルーザーの盛り上がり。日産もブース中央にはNISMO仕様のリーフ(EV)を展示。トヨタもプリウスのスポーツコンバージョンカーなどを出品していたが、特にタイヤメーカーのエコ度が高かった。

 その昔、若者が履き変えるタイヤといえば安くてもスポーツタイヤが定番だったがもはや売れないのだという。一見花盛りのエコタイヤも、新車時に交換するユーザーは少数派、あくまで減った後のリプレイス需要というから、メーカーも今後を見据えてブランディングとイメージづくりに必死なのだ。

 4×4業界にとっても他人事ではない。その昔は新車時からAT(オールテレーン:オン・オフ両用)タイヤやATに近いパターンのタイヤが与えられたものだが、今は全てHT(ハイウェイテレーン:オンロード用)タイヤ。

 その辺りをFJクルーザーの開発主査に聞いてみたのだが「今はエコの時代。カタログ上の燃費をコンマ1でも上げるために、転がり抵抗の少ないタイヤが必須」なのだという。さもありなん。

 そんな目でオートサロン出展のFJクルーザーを見ると…新車時のHTタイヤを履いているクルマはごく僅か。みなATやMT(マッドテレーン:泥場などオフロード用)で、足もとからドレスアップしている。やっぱり4×4はパターンの厳ついタイヤが似合うのだ。

FJクルーザー花盛り
 というわけで、今日はオートサロンのFJクルーザーを特集しよう。目玉は何と言っても「TEAM FJ」の展示ブース。宮城、茨城、群馬、埼玉、千葉、神奈川の6県のトヨタ店がチームを結成。おのおの工夫を凝らしたFJクルーザーがドンと陣取っていたのだ。会場となった幕張メッセ広しといえど、1車種がこれだけ集まったブースは他にはない。そこだけ何やら異彩を放っていた。もちろん、人気も上々だったのだ。

KEEP ROLLIN'
 
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ちなみに、コチラはご存じヨンマル。はるばる名古屋はトヨタ車体からの友情出演。F型ガソリンエンジンを搭載したヨンマルをFJ40と呼んでいたが、それがFJクルーザーの元となったのだ。「ランドクルーザーではないが、FJの血を引いている」という意味では素晴らしく夢のある絶妙なネーミング。ただし、会場にあったヨンマルは3B型ディーゼルを積むBJ42だったらしい。



 
TEAM FJ 宮城トヨタ「MTGコンセプトFJクルーザー」
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ではTEAM FJを北から順にご紹介しよう。「部品を取り付けるのではなく、ストック車両の良さを生かし、ポイント塗装のみによる加工で、いソリッド感のある感じに仕上げました」という宮城トヨタ。こだわりのブラック塗装はグリルや前後バンパーコーナー、ホイール(黒をツヤ消しに)に及んでいる。リアスポイラーを白くすることでホワイトルーフの一体感も醸し出すなど、さりげなく芸コマな1台だ。




TEAM FJ 群馬トヨタ RV-Park「OFF-ROAD Cruiser」
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群馬トヨタ RV-Park は2台のFJを展示。1台目はオールブラックの「オフロードクルーザー」。コンセプトは「マットブラックに包まれたボディと拘りのパーツが生み出す本物の世界」。フロントにはARBのブルバーを。ボンネットはオリジナルのカーボン製とし、純正ラックにはワークランプを4連で配している。サスはJAOSオリジナル2インチアップコイルにKONIを合わせRAGUNA JYDOとジオランダーM/T+(265/70R17)を装着した。


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全てがマットブラックに統一されたボディーは「デカールではなく塗装」であることがウリ。今回のFJが「ユーザーの好きな色に全塗装で納車」できることを暗に示唆しつつ、ボンネットのカーボンも光るからといってツヤ消しにするほどの凝りよう。同様にブラックアウトされたグリルの中にはホンモノのFJ40ロゴが光っていた。このままRVパークのデモ車になるというから、実車を見たい方はお店へGO!



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こちらはお馴染み群馬トヨタ RV-Parkの“サンダーバード4号”こと「All-ROADランナー」。以前、左ハンドル車で作られたデモカーを4x4MAGAZINE誌上で紹介したが、こちらは右ハンドル仕様。「お客さんが入手できるパーツを組み合わせてカスタマイズすることを前提に仕上げました」という。より、現実的かつ身近な仕様なのだ。タイヤはジオランダーA/T-S、ホイールもリフトアップサスもJAOS製だ。


TEAM FJ 茨城トヨタ「FJクルーザー オフロードスペシャル」

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 こちらは「アメリカで販売されているパーツをメインにカスタムした日米融合型」がコンセプト。個人的にFJに目立つステッカーを貼るなら、このナナメのラインを一杯に使いたいな、と思っていたが、まさにその通りの仕上がりでお目見えした。ブッシュワッカーのオーバーフェンダーに組み合わされたUS・TRD製「ビードロック風」ホイールがとってもオシャレ。でも、茨城トヨタのデモカーはあくまで展示用。ココのHPにあるようにパーツの装着まで保証したものではないので注意が必要だ。特にアフターのオーバーフェンダーを装着すると車幅が増し「ヘッドライトが車両最外側から400mmまでの範囲になければならない」という法規に触れてしまう。それでもマネしたい場合はプロショップへ相談したほうがいいだろう。




TEAM FJ 千葉トヨタ「FJク マリーンズ スペシャル」
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「強烈なマリーンズファンの象徴として、どんな場所でも埋没しない大きなボディーを生かした存在感を演出する」がコンセプト。このマシンは、トヨタが主催した「ご当地FJコンテストの出展車」。実は千葉ロッテが2010年の日本シリーズチャンピオンとなり、優勝パレードが行われる時には完成していて、「どうしても使って欲しかった」のだが「発表1週間ほど前でNGだった」というこぼれ話がある1台。確かに! パレードで見たかった! FJはボディー面が大きくてスクエアだから走る看板としても目立つねえ!


TEAM FJ 埼玉トヨタ「FJクルーザー スペシャル」
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埼玉トヨタの注目か所はオリジナルパーツ。フロントバンパーに埋め込まれたフォグランプとスチール製サイドステップがイイ感じ。フォグランプはバンパーに穴開け&リベット加工で、リベットをそのまま残しているのがミソ。きっとパーツ売りして欲しいっていうオーダーが来ると思うなあ。サイドステップは純正樹脂製の取り付け位置にボルトオン。オフロードを考慮して(?)、やや高い位置に変更しているのが嬉しいところ。レイズのTE37ホイール(ブラックアルマイト)にホワイトレターのBFG(オールテレーン)もイイ感じ。
 ちなみに、1月22日(土)23日(日)の週末は埼玉スタジアムで「新春カスタマイズ&パーツフェア」が開かれ、FJクルーザーの試乗会や各メーカーのパーツ展示会、カスタマイズ相談会などが行われる予定。お馴染み4×4業界からも栄光社、キャナス、クリムソン、サン自動車、サンライズ・マッキー、ジャオス、チトセ、ハセプロ、マツ・ショウ、ヨコハマタイヤジャパン、ラグナキューブ、レイズ、トヨタテクノクラフトなどが出展する予定。お楽しみに。




TEAM FJ 神奈川トヨタ「リゾート・クルーザー」
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コンセプトは”湘南の海”。穏やかな湘南の海を今流にスタンド・アップ・パドルでゆっくりとクルージング…。そんな、リラックスできる時間を共にするギアとして提案したという。鮮やかなブルーとホワイトのルーフを海と空に見立てたステッカーチューンは夏の海にピッタリ。インテリアも、シートからサンバイザーまで全て、アロハシャツのように爽やかなプリントで統一。ルーフのロングボードと相まって、開放的な遊び心に満ちた1台だ。


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リアドアを開けると“らしく”放り込まれたアウトドアグッズに紛れて面白いモノが目に飛び込んで来る。そう。ドア内側の小物入れだ。色もイイ。これ実はYKKと共同開発中のモノ。もちろん開閉はチャックで行う。リアドア全面を強力かつ耐久性のあるマジックテープの“受け”にして装着してあったので、個人的にはここに十字レンチや懐中電灯などを取り付けられるなあと思った。どうでしょ、そんな使い方。FJっぽいよネ。





神奈川トヨタ「オフロード スペシャル」 KEEP ROLLIN'
 
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エアロメーカーダムドとクリムソンのコラボレーションブースに飾ってあったFJクルーザー。実はこれ神奈川トヨタ3部作の1台「オフロードクルーザー」なのだ。リフトアップサスにニットーのMTを履かせた姿が力強い。ポイントはクリムソン「MYRTLE」ブランドの新作(予定)17インチホイール。中央のパーツが着脱式。恐らく別売りでスペアカラーを購入すれば、ボディーカラーや気分に合わせて色を選べるようになるのだろう。


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会場にはFJのボディーカラーを意識してクロームとレッド、イエローのホイールが展示してあったが、このボディーカラーならホワイトもあればさらにイケてるかも。





FJクルーザー JAOS Selected by MODELLISTA
KEEP ROLLIN'こちらは、トヨタ自動車ブースに展示されていたモデリスタのJAOSバージョン。フロントバンパーエクステンションや、フロントグリルガーニッシュ、フロントスキッドプロテクターにサイドステップ、マッドガードなどが装着されたクルマだ。いずれもJAOSらしくカッチリした造り込みが魅力。品質や質感は折り紙付きの製品だ。詳しくはコチラ、モデリスタのHPをどうぞ。それから、JAOSのホームページもオススメ。オートサロンの出展車を見ると、赤いBATTLEZのサスキットを履いたFJクルーザーがとても多かった。おそらく今後近いうちに、これらが製品化されていくと思われる。要チェックなのだ。


グッドイヤーブース
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グッドイヤーのブースにもFJクルーザーが。タイヤはラングラー F1 285/30R22、ホイールはDIABRO MORPHEUSの22×9.5サイズ。グリルやウインカーカバー、フロントバンパーエクステンションなどは全てトミーカイラ製。基本的にトヨタ・ホームページ「My FJ」の「パーツ購入シミュレーション」にあるように、ユーザーが納車前にカスタマイズできる仕様だと思う。トヨタも思い切ったことを始めたね。タイヤホイールはともかく? ディーラーでこんなクルマがオーダーできるんだから。ここまで黒かったら、ミラーも屋根も黒く仕上げてもイイかしらん?




サンライズマッキー
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こちらは静岡県磐田市から単独で2台の出展。うち1台、サンドベージュのFJは東京オートサロン SUV部門の「優秀賞」に輝いた。リフトアップ車高がバランスよくまとまった1台だが、実は見えないところがポイント。車内にはキャンパーベッドが奢られ、マフラーはなんと外から見えない「ステルス仕様」になっている。「マフラーをみせずにどうするの??」という疑問が湧いて来るが、社長曰く「リアに片出しのマフラーっていうのはデザイン的にキライ、というユーザーも結構多い。解決法としてはダブル出しかゼロかって話になるけど、コイツは見せなくしたのがポイント。サウンドも静かなら、外見すら見せない。文字通りステルスってワケ。性能にはすごく自信があるし、実は賛同者が多いんだよ」とのこと。確かに。下から見るとちゃんと造り込んである。


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ブルーのFJは、幌車風に革を貼った1台。車内は同様にベッドキットが与えられている。もちろん、いつでもドコでも車中泊できてしまう ムフフ なキットだが、実は外に出せばベンチに早変わりしてしまうのがウリ。アウトドアで彼女とベンチ。いいねえ、こんな提案。



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ちなみに、FJクルーザーには車内からリアドアを開けるスイッチはない。というワケでリアドアにそのスイッチを追加。これでドアだけでなくリアウィンドウのロックも解除できる。星空を眺めながら愛を語れるし、ケンカになっても逃げられる。これなら彼女も安心。芸コマ。



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どうだった? 東京オートサロンのFJクルーザー。ちなみに、ここで挙げた写真は全て
ココのアドレス
でもっと大きくみられるので気になる方はそちらをドーゾ。
ちなみに、FJクルーザー以外の車種も入ってるのであしからず。
さあ、明日はFJで取材、雪に祟られなければいいなあ!