- 仮面同窓会/幻冬舎
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高校の同窓会で、久しぶりに再会した旧友4人。かつて生徒を囚人扱いしていた教師・樫村の変わらぬ姿を見た彼らは、恨みを晴らそうと仕返しを計画。予定通り、暴行して置き去りにするも、翌日なぜか樫村は暴行現場から2km離れた溜め池で溺死体となって発見された。いったいなぜ?そして、4人のうち誰が彼を殺害したのか?それぞれが疑心暗鬼に陥る中、新たな犠牲者を出した殺人事件が、高校時代の衝撃的な秘密を浮き彫りにさせる。過去と決別できない者たちを巧妙に追い詰めていく悪魔の正体とは?
続きが気になって一気読み。
でしたが、後味すっごく悪いです。
社会人数年目、高校の同窓会で久しぶりに旧友と再会した洋輔らは、高校時代自分たちを何かと叱りつけ、そのたび天突き体操をやらせた教師、樫村への復讐を計画する。
そして計画通り暴行して置き去りにしたはずの樫村が翌日別の場所で死体で発見された。
樫村を殺したのはいったい誰なのか？
仲間4人の中で誰が樫村を殺したのか？と疑心暗鬼に陥っていく心理描写はなかなか面白いです。
もともと4人全員が同じぐらい親しかったわけではないからこその疑心。
殺人は犯していなくても拉致して暴行したという後ろめたい事実があるが故に募る不安。
そのあたりの4人の心理描写は上手いです。
物語自体には伏線がかなり張られていて、それは見事に最後には回収されてその伏線の回収に関してはすっきりはするのですが、一人この人だれ？と思う人物が最後の方に明かされるまで全く思い浮かばず、「俺」って誰なんだよ！とずっとモヤモヤした思いを抱えながら読まなくてはいけなかったのが微妙と言えば微妙でした。
でもそれを知りたくてどんどんページが進んだというのもあります。
希一と八真人の関係だったり、洋輔の兄の存在だったりは早い段階から気付いたんですけどね。
でも最後の方で犯人と動機が明らかになっていったあたりからは、いくら理由があるとは言え、人を殺すということに全く躊躇を見せない姿、その軽さにぎょっとしたし、そんな終わり方でいいのかよー、と思ってしまいました。
スイスイ読めるし伏線の回収も見事。
でも推理する面白さはあれど、考え方が幼稚すぎて登場人物の行動には全く共感できないし、後味も悪いのであえてオススメはしません。
★★☆