高校生の裕一は、入院先の病院で心臓病の美しい少女・里香と出会い、彼女のわがままに振り回されながらも、次第に惹かれていく。里香も外の世界を見せてくれる裕一に思いを寄せていくが、二人が入院する病院の医師・夏目は悲しい過去に縛られ、複雑な思いで二人を見ていた。[上映時間:112分]
予想以上にいい映画でした。
物語の設定にもいい意味で騙されたし。ただ後から知ったのですが、後半は原作とはちょっと違う設定になっていたようですね。
肝炎で入院していた裕一は、退屈な入院生活に耐えかねて夜な夜な病院を抜け出しては、看護師の亜希子に怒られる日々を送っていた。
ある日、裕一は抜け出しの罰として、亜希子から同じ病院に入院していた里香と友達になるように命じられる。最初は屋上で本を読む里香を可愛いと思ったものの、話をしてみれば彼女はわがままで狡猾で、彼女に振り回され続ける裕一。
それでも里香は次第に裕一に心を開きはじめ、惹かれ合っていく二人。
しかし、里香の病は彼女の体力を徐々に奪っていっていた。
一方、最愛の妻を病気で亡くして以来、手術から離れていた医師の夏目。
かつては優秀な心臓外科医だったが、妻を助けられなかったことで傷ついた心を抱えたまま、今は内科医として勤務していた。
正直裕一は病人なのか!というぐらい元気です。
商店街を高校の仲間と一緒に自転車で全速力で走ってる姿は病人とは思えない。
実際本人もたいしたことないと思ってるし、元気だからこそ入院生活も退屈で脱走を繰り返していたのだとは思いますが。
そんな裕一が病院で出会った女の子。
宮沢賢治が好きで、銀河鉄道の夜の内容を台詞まで覚えている里香。
そんな里香はかなりの我儘で、裕一もよく付き合うなぁと思ったりもしたのですが、不思議な魅力があったんでしょうね。それに里香は里香で小さい頃からずっと入院生活、あんな風になってしまうのも仕方がないのかもしれません。
そして裕一の優しさに触れるうちに次第に明るく、そして素直になっていく里香がなんだかとっても可愛い。
正直、病院を二人で脱走して砲台山に行くシーンはセカチューっぽくてなんだかなぁと思ってしまったりもしたのですが、学際のシーンは良かったです。素直に喜ぶ里香がすごく可愛かった。
ともかく裕一と里香の関係がすごく爽やかでピュアでなんだかよかったんですよね。
決して演技が上手いと思ったわけじゃないんだけど、なんか一生懸命な感じがすごく伝わってきて。
だからいきなり大泉洋の話になった時にはかなり戸惑ったし、違う映画を見始めちゃったのかと思ったのですが、その後わかる展開に、「なるほど、そういうことだったのか」と納得し、なかなか上手いストーリー展開になってるじゃないの!と感心してしまいました。
全く予想してなかった展開だったけど、言われて見れば確かに・・・と思う部分があったから違和感はなし。
原作ファンからしたら何それという展開かもしれませんが、原作を知らない私にとってはいいミスリードでした。
★★★☆