『サマーウォーズ』 DVD鑑賞 | 映画な日々。読書な日々。

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映画な日々。読書な日々。-サマーウォーズ
天才的な数学力を持ちながらも内気な性格の小磯健二は、あこがれの先輩・夏希に頼まれ、長野にある彼女の田舎へ。そこで二人を待っていたのは、大勢の夏希の親せきたちだった。しかも、健二は夏希から「婚約者のふりをして」と頼まれ、親せきの面々に圧倒されながらも大役を務めることに……。[上映時間:114分]


だいぶ前にDVD鑑賞。

評判がよかったこの作品ですが、観て納得。すっごく面白かったです。


天才的な数学の能力を持ちながら、ちょっと弱気で人付き合いの苦手な高校2年生の健二。彼の実力は、数学選手権の日本代表候補にあと一歩のところでなりそこねたぐらい。健二は夏休、友人の佐久間と共に仮想世界”OZ”のメンテナンスのアルバイトに明け暮れていた。


そこへ憧れの先輩・夏希がアルバイトを依頼してくる。

夏希曰く、「私と一緒に田舎に行くバイト」。


連れて行かれた長野にある彼女の実家。彼女の実家では、大婆ちゃんの誕生日会の為に親戚中が集まっていた。そして夏希のフィアンセのふりをすることがバイトの内容だったことをその場で知る健二。


深夜、眠れずにいた彼の元に届いた1通のメールの暗号を解いた健二は、翌朝、OZを大混乱に陥れた犯人として自分の顔と名前が報道されていることに驚愕する。


健二は自らの汚名を果たせるのか?OZを大混乱から救うことができるのか?


Web上の仮想世界”OZ”が世の中すべてに浸透している世界。

つまりリアルの世界にバーチャルが普通にある世界なんですよね。


多分OZの世界の混乱を東京で描いてしまったら、全部がデジタルな感じになってしまうし、ある意味オタクの世界っぽくなってしまったと思うんです。それが舞台を長野のど田舎にしたというのがうまい。デジタルとアナログが見事に融合。長野の田舎の平屋に集まった陣内家の人々が、バーチャル世界の混乱のせいで世界滅亡の危機に挑んでいく姿がなんともいいんですよ。


そしてアバターやハッキングどころかインターネットすら縁遠いアナログな世代の人々にもわかりやすいように描かれているところが見事。もちろん完全にOZの世界を理解するわけではないけど、少なくとも仮想世界に対しての抵抗はなく観れる作品になっていると思います。


ある意味、この映画の舞台は狭い。

ほとんどが陣内家の中と、Webの仮想世界の中。そして戦うのは仮想世界の中。でもこの仮想世界がリアルな世界と連動しているので、仮想世界で負けてしまったら、リアルな世界をのっとられてしまう、というわけ。日常と非日常は紙一重。


そして戦うのは、世界を救うのは、バリバリパソコン操作してる人たちではなくて、田舎にある一家。この陣内一族の絆の深さがすごくいい。


実際、この映画のようにバーチャルの世界がリアルの世界にここまで侵入してきてしまったらと思うとかなり怖いです。デジタルは便利だけど、その便利さと同じだけリスクがある。アナログは不便だけれども、その不便さを我慢してでも得られるものがある。人の感情とかも”アナログ”の方だよね。


この映画、本当にアナログとデジタルの使い方がうまい。夏希がOZの中で戦うのも「こいこい」、つまり花札、というギャップもいいですよね。私花札わからないからルールが全然わからなかったけど・・・。そして夏希の花札の戦いの時、ドイツの男の子の台詞に感動してしまって、思わずウルウル。アニメで泣くなんて自分でもびっくり。


また何より90歳の栄ばあちゃんがいいです。おばあちゃんの台詞は一つ一つが重くて心に響いてきました。


観終わった後、素直に「あー面白かった!」と思える作品でした。いろんな賞を総なめしたのもうなづける作品。


DVD鑑賞


★★★★