真藤順丈 『地図男』 | 映画な日々。読書な日々。

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地図男 (ダ・ヴィンチブックス)/真藤順丈
¥1,260
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ある日、大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた奇妙な漂浪者に遭遇した「俺」。そこには、男の紡ぎだした土地ごとの物語がびっしりと書き込まれていた。物語に没入した「俺」は、次第にそこに秘められた謎の真相に迫っていく。


話題の本だったので、予約してから結構待ちました。

が、この本、正直私には全く理解できませんでした。途中何度投げ出そうと思ったことか。138ページと薄い本だったのでなんとか最後まで読みましたが、最後まで読んでもなお、この本の良さは全くわからず・・・。ちなみにうちの母は早々に挫折してました。


でもこれって第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞受賞作。しかもこの作者、第3回ダ・ヴィンチ文学賞大賞、第15回日本ホラー小説大賞大賞、第3回ポプラ社小説大賞特別賞、3つの別の作品で2008年に3つの新人賞を受賞した驚異的な新人なんだとか。とっても評価されてる方なんですね。そんな本の良さが理解できない時点で私がダメなのかもしれない。


フリーの助監督をしている俺は、ロケハン中に大判の関東地域地図帖を小脇に抱えた年齢不詳の奇妙な漂浪者に遭遇する。最初の出会いは神奈川県茅ヶ崎市の国道。ポケットサイズの市街地図をなくしてしまった俺は、地図を見せてもらおうと『探している場所がある』とその男に声をかけると、彼は俺が希望していたロケーションの候補地を10近く、つらつらと諳んじていた。


そして確認の為に開いてくれた地図帳を見て俺は驚く。地図の紙面はびっしりと書き込みがされ、さらに書き込みがされた無数の付箋が貼られていた。そしてそこに重ね書きまでされて記入されていたものは『物語』だった。


誰かに語りかけるように、書かれた沢山の物語。

千葉県北部を旅する絶対音感を持った3歳の天才児<M>の物語。

東京二十三区の区章をめぐる、住人達の地元愛と矜持をかけた壮絶な激闘。

東京の西域、多摩川を境に運命を隔てられたムサシとアキルの物語。


あふれている。物語が横溢している。

そして地図男が地図帖を開くとき、物語を地図男は誰に語っているのか?


主人公である俺が地図男に遭遇した時の様子と、地図男が地図帖に書いた物語が交互に描かれていきます。俺は地図男に、そして地図男のその地図帖に書かれた物語の虜になって、街に出れば地図男を探し、地図男を見つければ物語を読ませてもらうわけなのですが、正直俺が虜になったその物語の面白さが私にはさっぱりわからなかったんですよねぇ。


かなりのページを費やして描かれていた二十三区大会も全然面白くないし、ムサシとアキルの物語はまぁそれなりに読めたけど、でも面白いかと聞かれたら面白くはない。


そして最後に俺が知りたかった「地図男が誰に語っているのか。」というその真相に迫っていくわけなんだけど、おおーという驚きがあるわけでもなければ、地図男に対する思いが変わるわけでもなく、ふうーん、という感じで、最後までこの本の面白さがわかりませんでした。とりあえずなんとか最後まで読み終えましたが、私はこの手の本は苦手ですね。世間的にはすごい作家さんのようなので、あくまでも私には合わなかっただけだと思いますが。


★★