『落語娘』@新宿ミラノ座 | 映画な日々。読書な日々。

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落語娘

「絶対、真打になる!」と、12歳の時に落語に目覚めて以来、大学の落研で学生コンクールを総なめにしてプロの門をたたいた香須美。拾ってくれたのは奇行三昧で知られる業界の札付き・三々亭平佐だった。一度も稽古をつけてくれないばかりか、不祥事を起こしてしまって、寄席にも出入り禁止状態。そんな破天荒な師匠にTV局から、これまで演じた者が必ず命を落とすという呪われた演目「緋扇長屋」に挑む話が舞い込む…。[上映時間:109分]


12歳の時、落語家好きだった叔父の為に落語を覚えたことがきっかけで落語にのめりこみ、落語の道に進むことを心に決める。それからというもの、恋もせず遊びもせず、ただ落語の修行に励み、高校大学と落研に入り、コンクールで優勝。そしてついに憧れの三松家柿紅の門を叩くが女であることを理由に門前払いを食らってしまう。


その時香須美を拾ったのが今の師匠である三々亭平佐。しかし彼はテレビ番組で不祥事を起こして謹慎中。前座の立場の香須美は、女である上に師匠の謹慎でさらに肩身が狭い思いをしていた。初志貫徹を果たしたものの、夢と現実のギャップを感じる日々。


そんなある日、平佐師匠がテレビ局のプロデューサーに乗せられて、高座にかけた噺家が次々と急死し、40年近く封印されてきたいわくつきの演目『緋扇長屋』に挑むことになる。


私は落語は全然わからないので正直上手いのか下手なのかはよくわかりませんが、ミムラは結構落語を勉強したのかな、と思いました。同じ女が話す落語だと、「しゃべれどもしゃべれども 」の香里奈が浮かびましたが、香里奈より全然上手かったです。まぁ役的にも前座とはいえ香須美はプロなので、下手すぎても困るんですけどね。


「落語娘」というタイトルのわりに、香須美の成長ぶりなどは全く描かれていません。男世界なので、女であるがゆえの大変さや、前座の身の苦労、そしてアウトローの師匠についてしまった苦労などは描かれていますが、香須美が落語を究めていく話ではありませんでした。


話はちょっぴりミステリーというかホラーチックです。

高座にかけた噺家たちを次々と死に至らしめたいわくつきの演目『緋扇長屋』。その演目には呪いがあるのか?その演目をやることになった平佐師匠の命は?というような感じです。一応この話がメインなんですが、「緋扇長屋」の中の登場人物であるおかよと若旦那の演技があまりにも下手なのが微妙でした。あんなに下手なのに彼らに喋らせないほうが良かったんじゃないかなぁと。そもそも「落語」なんだから、演目内容を映像で見せる必要なかったのではないかと。


肝心の『緋扇長屋』のストーリーも正直たいして面白くないというか、そんな数々の噺家を死に至らしめたというには怖さが足りなかったように思います。


あとはたとえ落語の世界が男社会だったとしても、あまりにも男尊女卑を強調しすぎているのはなんだかなぁと思ってしまいました。三松家柿紅が「寿司屋の暖簾をくぐって、女の板前が握っていたらご免だね。」って言ってましたけど、なんか女性をバカにしすぎてないか??


でも落語は本当ずーっと男社会だったので、話によっては男性が話せば面白いのに、女性が話すと面白くないというものが結構あるそうです。生の落語は聞いた事がないですが、それはなんとなく分かる気がします。男が女口調でしゃべるから面白いのであって、女が女の話し方をしてもちょっとね、、というのがあるんですよね、きっと。


ストーリーは決してつまらないわけではなかったのですが、正直面白くもなかったんですよね。いろんな要素を中途半端に入れすぎていて、いったい何を一番伝えようとしたかった映画なのか、焦点が定まらない感じになってしまっているのが残念でした。香須美の噺家としての見せ場もなかったし、落語の面白さみたいなものは全然伝わってきませんでした。


あとストーリーとは関係ないのですが、ミムラと後輩君のレストランでの食事シーンでね、ミムラのフォークの持ち方があまりにも下手なのが気になって仕方なかったんですよ。すっごい下の方で持ってるの。フォークであれだけ下手ってことは、箸も相当ヤバイんじゃないかなぁなんて思っちゃいました。


新宿ミラノ座にて鑑賞


★★☆