『ストレンヂア -無皇刃譚-』試写会鑑賞 | 映画な日々。読書な日々。

映画な日々。読書な日々。

読書、子育て、コスメ、グルメ情報等を中心に更新しています。

ストレンヂア

男たちが戦いに明け暮れる中国・明朝時代。名を捨て刀を封じた浪人・名無しと、国家に仕えながらも満たされぬ思いを抱く金髪碧眼の剣士・羅狼。謎を秘めた少年・仔太郎をめぐって世俗から隔絶した2人の異邦人“ストレンヂア”が剣を交わす!息もつかせぬ日本刀アクションが見どころの時代劇チャンバラ・アニメーション。[上映時間:102分]


なかなかよく出来ていて面白かったです。本当アニメを観る度にクオリティの高さに感心してしまいます。アニメなのにPG-12っていうのはちょっともったいない気がしますが、確かにバッサバッサ斬られて首も飛んだり結構観るに耐えないシーンもあるので、子どもにはあまりよくないですね。


戦乱の時代、明国の謎の武装集団に追われている孤児の少年・仔太郎と、自らの名を捨て、刀を封じた浪人・名無しは偶然出会い、道中を共にすることとなる。この二人の出会いのシーンから、名無しの大人な性格と、仔太郎の子どもすぎる性格のギャップが浮き彫りになります。最初は生意気で自分勝手で可愛げのない仔太郎に、なんだこのクソガキ!と思ったりもしたのですが、名無しが一歩引いた心の広い大人な応対をしているのをみるうちに、私も名無しのような目線で観れるようになりました。そう思えると、仔太郎がまだまだ子どもで、淋しくて、誰かに助けてもらいたくて、だけど素直になれずに憎まれ口を叩いてしまう、そんな本当の心のうちが見えてきて、だんだん可愛らしく思えてきました。


明国と日本の異国人同士が戦いを繰り広げることになるのですが、明の謎の武装集団がかなり強いです。でもそのちょっと現実離れした強さも、明という国にありえそうな感じでしっくりきます。ただ彼らが日本人と話すときは中国語を話してるのですが、彼らだけで話す時は日本語だったりしてて、結局どの言葉で話してるのさ?とちょっと気になってしまいました。


アニメならではの殺陣のシーンはかなり迫力があります。これ、ある意味実写よりも迫力を感じることができるような気がします。


そしてラストのただ強い相手を求める羅狼と、名無しのとの戦い。


仔太郎と出会った時から最後まで、ともかく名無しが格好良くて惚れ惚れしてしまいます。

「痛みがあるほうが生きている気がする」


ただ仔太郎の体に隠された秘密、特別な子供という説明がちょっと中途半端だったような気がしますね。今回を逃したら1年待つことになる云々とかも。


仔太郎の愛犬・飛丸は本当によく出来た犬で感心です。犬ってこんなに忠誠心があるものなの?本当おまえは偉いよ、という感じでした。


長瀬君の声は名無しによく合っていました。ちょっとぶっきらぼうなしゃべりが格好よかったです。仔太郎の声はジャニーズJrの知念侑李が担当しているのですが、最初はん?こりゃ下手すぎないか?と思っていたのですが、だんだん聞き慣れたのか、知念君が上手くなったのか、途中からは気にならなくなりました。竹中直人については、あまりにも出番少なすぎで、そんなチラシで紹介されるほどの役ではなかったような。


ストレンヂアは、戦国時代に刀を封印した「奇妙な男」と「異邦人」という2つの意味をかけているそうです。一般の枠組みからはみだしてしまった彼ら、名無し、仔太郎、羅狼・・・。そんな彼らが自然と引き寄せられ、認め合っていく。

時代劇アクションものが好きな人にはかなりオススメだと思います。


試写会(@松竹試写室)にて鑑賞


★★★