『包帯クラブ』 試写会鑑賞 | 映画な日々。読書な日々。

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包帯クラブ
関東近郊で暮らす高校生たち。嫌な事ばかりではないが、毎日少しずつ傷つき、大切なものを失う。ふと、ある人が心の傷ついた場所に包帯を巻いてくれた。気持ちがスゥーッと楽になる。それが“包帯クラブ”の始まりだった。[上映時間:118分]


なかなか面白かったです。柳楽君は、誰も知らない、星になった少年、シュガー&スパイスと観てきましたが、この映画ではずいぶんとイメージが違いました。そして結構格好良くなってました。


柳楽君はこの映画の中で下手な関西弁を話すディノという役なのですが、関西弁は人志松本のすべらない話のDVDを何度も観て覚えたそうです。つまりこの映画の中で柳楽君が話す関西弁はまっちゃんです。こんな明るくてよくしゃべる、そして結構いっちゃってる感じの柳楽君は本当イメージと違ったのですが、これがまた新鮮でよかったです。

それから映画の中にだるまが118回出てくるそうです。最初に配給会社の方からその話をされたのですが、2回ぐらいだるまを見た後はすっかり忘れてしまって、そんなにだるまが出ていたことに全然気づけませんでした。


包帯一本巻いて世界が変わったらめっけもんやん


包帯クラブのホームページで、心に傷を受けた人たちからの依頼を受け、包帯クラブのメンバーがその場所に行って包帯を巻き、手当てした写真を撮り、投稿者へ送る。それが包帯クラブの活動。


前半は包帯クラブを発足させ、活動が上手くいく様子が描かれます。


包帯なんて巻いていったい何になるの?

ワラや、ワラの親友・テンポが思ったように、正直私も最初はそう思いました。


でも包帯を巻いて欲しいと願う依頼者達の痛みをわかろうとするクラブのメンバーの思いが優しくて、ただの遊びではないんだという思いが伝わってきます。そしてその巻かれた包帯を観て癒されていく依頼者達。またクラブの活動を通して、ワラ達メンバーが明るく輝いていく姿がいいです。


しかし、物事なんでも簡単に上手くいくわけではない。包帯クラブの活動は、その活動を不快に思った人の手によって中止せざるを得ない状況になってしまいます。


ただ、ここで思ったのがですね、私はてっきり写真を撮ったら巻いた包帯は片付けてると思ったんですよ。それが巻いた包帯はそのまま放置。それじゃあ今回の垂れ込みがなくたって、そのうちいずれ他からも苦情が来ちゃうでしょ、と思いました。そんな包帯クラブの活動なんて知らない人からしたら、ただの嫌がらせ?ゴミ?そんな感じでしかないんだから、もうちょっと考えようよ、と思ってしまいました。


後半は包帯クラブの活動によって表面化された友だちの傷、そしてみんなの前では明るい姿しか見せず、決して自分の傷を話そうとしなかったディノの傷に触れていき、彼ら自身の傷を乗り越えていく姿が描かれます。この後半のワラの行動や台詞が結構いいです。


それぞれ人が抱えている傷はいろいろあるし、その傷に対する考え方も千差万別。包帯クラブの依頼者のように、誰かに聞いてほしい、包帯を巻いて心の傷を癒して欲しいと願う人もいれば、人に話したってわかるわけない、と思う人もいるだろうし、癒されて楽になってはいけないんだ、自分はその傷を抱えたまま生きていかなくてはいけないんだ、と思う人もいる。


でもやっぱり傷は一人で抱えていたままじゃいけないんだと思います。その傷のことを話せるようになるまでには時間がかかるかもしれない。だから焦る必要はないけれども、頑なに誰にも話さないと決めるのではなく、信頼できる相手に、自分のことを本当に考えてくれる相手に話してほしい。自分の中に閉じ込めたままだったら、いつまで経っても治らないし、真剣に向き合うこともできないんじゃないかな、そんなふうに思いました。


彼らの中で一番大人だなぁ、と思ったのはリスキとつっこみ。でも他のみんなも、人の痛みを知り、一歩成長できたんだろうな、と思います。また下手に恋愛を入れ込まなかった作りがよかったですね。

エンドロールの後にも少しだけ映像がありますのでお見逃しなく。


GTF試写会(@イイノホール)にて鑑賞


★★★


※高校生、中学生、保護者を対象に代ゼミで8/29(水)14:00~試写会が行われるようで、先着順で8/20まで試写会応募受付しています。→こちら