皆様、今年も大変お世話になりました。演奏会場に来て頂いた方々、共演者の方々、会場のオーナー様、スタッフの方々、ほんとうにありがとうございました。
水島結子嬢との琵琶デュオはもちろん、年後半から始めたトマツタカヒロ氏との“物狂之会”、長年続けている、弁士・麻生八咫さんの無声映画の伴奏、大学での定期的な講義・演奏、お弟子さんへのお稽古など…昨年以上に充実した活動を行うことができたと思います。
琵琶デュオとしては、新しいCD『二人囃子』が完成した (2017年2月11日正式発売) ことはほんとうにうれしかったです。
習い始めてまもない詩吟もいくつか人前で吟ずる機会をいただきましたし、琵琶での吟の伴奏は、じつに楽しく、勉強になる体験でした。
音楽リスナーとしては、後藤敏章くんとの“国立戦前アフロ・アメリカン音楽同好会”や定期的な執筆活動も、もろもろの新しい発見の中、地道に続けております。
あらためて、自分は琵琶を弾き語り、音楽を聞き続けることしか出来ない体質だということを痛感しました。ほぼ毎日それの繰り返しだった気がしますが(映画も邦画を一本観ただけw)、もうしょうがありません(笑)。
来年も同じ調子でやっていこうと思います。皆様、懲りずに宜しくお願い申し上げます!
……
これなるかな、これなるかな、この琵琶よ
いつしも変わらぬわが友は、
朽ち行き、廃れはつる味気無き世に
ほろびの身、塵の身を、あはれと
音に慰むるもの、
弱きわが心、狭きわが胸の、たのみなき
未来をはかなみて消えまほしと
祈り願しときよ、この琵琶が、
わがむねの門たたきそめけり。
……北村透谷「蓬莱曲」より