- 君はフィクション (集英社文庫)/中島 らも
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『君はフィクション』 中島らも
短編集です。中島らもの最晩年ちかくの作品が多い。完成度はそれなりの水準にある。
中島らもが過去の作品で使用していた表現が、使いまわされているが、それは問題になるほどではない。そういうことは以前私も説明しましたね。
読みやすい、明晰な文章である。
中島らもの小説には完成度の低い作品が多いが、おそらくはスケジュールの調整と執筆ペースをうまく調整しきれなくて完成度が低くなるのだと思う。これも以前書いた。しかし繰り返しになっても言っておきたい。
長編は丁寧に仕上げるためには、協力的なスタッフがいないと難しいのではないか。
表現力やアイディアは病気でふらふらになっていた最晩年にも衰えてはいなかった。
口述で創作をしたこともあるようだが、若いときに文章術に熟達したから可能だったのだろう。
中島美代子さんのおかげも大きいのだろう。
短編集なので内容に踏み込んだ説明はしません。
解説は中島さなえです。
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