- さかだち日記 (講談社文庫)/中島 らも
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『さかだち日記』 中島らも
対談プラス日記で構成されている本です。
中島らもと野坂昭如の対談はかなり下品です。
日記は、いまになってみると中島らもの嘘や誇張が透けて見えるような気がするので、なんとなくつらい。
『らも‐中島らもとの三十五年 』を読んだあとに、この『さかだち日記』を読むとなおさら中島らもは生身の中島裕之(なかじまゆうし)ではない「中島らも」というキャラクターを演じている、それも背伸びをしたり無理をして演じているというのが、痛々しく伝わってくるので、読むのがつらかった。
注意して読むと中島らも根は優しい父親であるし、仲間にめぐまれたおぼっちゃんであるというのも読み取れる。大勢の人たちから愛されている。そして、すでに亡くなってしまった者への追悼も忘れていない。
しかし、全体的には中島らもは、わるというか不良少年(中年)でありたいという願望を、日記の中にまで持ち込んで、真の自分を出せていない(かに見える)
日記のなかでまで自分を加工しなければいけない、というのは幸せなのか不幸なのか。文体に余裕があって遊んでいる、という雰囲気でもないからつらいのです。
過激なこともたくさん書いていますが、わたしはもう騙されない。
しかしファン以外の読者が読んでもあまり面白くないだろう。
『さかだち日記』は中途半端な本なので無理に読まなくともいいです。
野坂さんと二人でバイアグラを使用したという場面が再現されていますが表現の誇張が凄い。使用されている言葉が大袈裟すぎて、リアリティがなくなっている。
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