ケーキを食った

今朝、声が出なくなる夢を見た。細君と末っ子くんに何を言っても声にならず、かき消されてしまうという夢だった。んで、目が覚めて腹を立てていたのだが、それも夢だった。つまり、夢の中で夢を見ていた。
　


　
今日は長男くんのハタチの誕生日である。2年と2か月前に自立をしていった彼はいま、住み込みの職場で肉体労働に勤しんでいるという。ついにこの日が来たのであった。
　
　
いろいろ思うところはあるが、ここまで来た以上、自ら主体性を持ち、正しいと思う生き方をしていってくれればいい。道はひとそれぞれだし、何が正解かなんてわからない。
　
韓国のセウォル号の事故では、302名の犠牲者のうち、大半が16～17歳の高校生だという。船内放送の「その場を動かないでください」という指示に従った生徒が全員、船に閉じ込められて溺れ死んでしまった。大人の指示に従わず、自主的に動いた子だけが生き伸びたのである。
　
まあ、俺はあの船長みたいに自分だけが救われたいなんて思わないし、正しいことをしているつもりだけど、自分の価値観が全てだとは思っていない。長男よりもほんの26年、長く生きているだけだ。

　
先日、たまたま探し物をしていたときに、長男が自分のベッドに飾っていた、和紙のカラス天狗のお面が出てきた。
　
これは僕が高校生の頃、部屋に飾っていたものと全く同じお面だ。俺のお面がどこかから出てきたのかと思ったけど、長男が自分で買ったものだという。すごい偶然に驚いた。
　
離れていても、会いはしなくても、血の繋がった父と子であることは疑いようのない事実。それでいながら、17歳の若さで親に頼らず、自立を続けているのは偉いと思う。また、支えてくれる人たちとの出会いに恵まれるだけの何かを備えているのだということは想像に難くない。
　
　
今は親としてしてやれることは何もないけれど、気持ちの上では応援していきたい。
いつか、ちょうどいい時期に再会できることを楽しみにしていよう。
　
食欲はないけど、ケーキを買ってきた。
苦手な味だったけど、鳥肌立てながら全部食ったぜ。

おめでとう、ハタチ。