サンキュー

深夜の会社帰り。六本木は一番にぎわう時間帯。
一人くわえタバコでラーメン屋に入り、「並、こってり」と注文を済ます。

ベルトループに下げたマナーモードの携帯が、振動をしていた。
緑に点滅するLEDが、メールの着信を告げている。

差出人の表示に、しばらくご無沙汰している呑み友達の名前があった。
時間表示は00：02。こんな時間に珍しいな。なんの用だろう？

メールを開いた。


自分の誕生日が来たことを、女の子からのメールで知るなんて！
三十代最後の1年、なんて幸先のいいスタートなんだろう？


誕生日おめでとう！ 俺！

今日からの一年間も、はっぴーお気楽に、過ごして行けそうです。
よかったな、俺！　なんとなく。


一方、我が家には“誕生日の人の希望したものをみんなで食べに行く”という掟がある。

去年の誕生日は、上野毛のエルアミーゴの1kgステーキに挑戦しにいったんだった。　→これだよ
今年はどうしよっかな。でも、夜はマンションの理事会なんだよな。

日曜日は、ヤマトとマシャの通う小学校の運動会だ。
よし。運動会おつかれさんを兼ねて、今年もステーキ食いに行こう。


今回は上野毛じゃないな。
下北沢に呼ばれた気がするぞ。